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君のかけら


最近よく、君のことを思い出すよ。
まあ、君がいなくなってから今まで、
君のことを思い出さない日はなかったけど。

だけど、辛くて寂しくて、
無理に忘れようとするほど忘れられない気持ちの密度は日に日に薄まっていって、
君のことも冗談っぽく、笑えるようになった。
それがいい事なのか、そうじゃないのかは、
私にはまだあんまり、分かんないや。


けどね、ずっと、ほんとにずっと、私の頭の中には君がいてさ。

思い出すのはいつも、細長い手足を精一杯使って働いていた君の姿。

ミスした時に立ち止まって両手で髪をかきあげる君の仕草。

あんなにいろんなとこ行って、遊んで、飲んで、笑ってたのに、
楽しそうな君よりも、歯を食いしばってた君の姿の方がずっと、私の頭に残ってる。

君は嫌がるかもしれないけど。
そんなこと早く忘れて下さいよって言ってるかな。
いや、君のことだから、それも言えずに、すいませんって笑ってるねきっと。




あの日から、いろんなことがあったよ。
伝えたいことがたくさんあって、
聞きたいこともたくさんあって、
私、君とちゃんと話さなきゃって。
思ってるんだけどなあ。


いまだにしつこくLINEしてごめんね。
そろそろ返信くれてもいいんじゃないかなって思ってるんだけど、どう?




君がいなくなったダメージは想像していたよりもずっと大きくて、
それを見ないように顔を背けて大丈夫なふりしていたら、
なんだか本当に大丈夫なような気がしてきて
普通に生きてた。



普通に生きてたけど、
冷静に考えれるようになってあの日からのことを振り返ると、

私すごく変わってた。


あの日から、
人と関わることに対して
臆病になった。
わがままにもなってた。

けど、その分、素直にも。


なんでだろうな〜って考えたんだけど、


2人っきりでちゃんと話した最後の夜に君が私に言ってくれた言葉覚えてる??

君が私のことを、いい意味で計算高いなんて言うから、
その真意を聞いたんだよ。


そしたらさぁ、
「あんた会話とかしてても、周りの人に気遣って、今自分がどういう立ち位置に着くのが良いか1番に考えるじゃない」
って言ったのよね。


あとさ、こんなことも言ってた。


「それもさ、気ぃ使わなきゃって思ってる訳じゃなくて、今まで生きてきた中での積み重ねで、自動化されてるような気がするのよ。
みんなが見ているあんたの良い所は、天性のものじゃなくて、あなた自身の努力で手に入れたもんなんですよ」


あーこの人には嘘つけないわ、って思った。
私が隠したかったこと、多分君は最初からずっと、分かってたんだよね。


その言葉は、
自信を喪失してたその時の私が、多分1番言って欲しかった言葉だった。


君はそれをさ、躊躇いなく伝えてくれたじゃない。


弱みなんて見せなくても、
言葉で言わなくても、
ちゃんと見てくれて、分かってくれる人はいるんだって思った。



君のその言葉で、
より素の私に近く、ナチュラルに生きれるようになってたみたいです。
今頃気づいたよ。


自分でも気づかないうちに、また君に救われてしまったな。




寂しい。
会いたいよ。



今、どこで何をしていますか。

こっちの世界は見えていますか。



君が生きていたかけらを集めて、
何とか自分を保って、
やっとの思いで呼吸ができる日を生きる私を
君はどこかから見ているんでしょうか。



見ているなら分かるでしょう。

君がいなくなって、後悔ばかりだ。

今、どう思ってる??って聞けば良かった。

嘘を言う人ではなかったけど、
優しい人ではあったから、
最後まで、本音がよく分からない部分もあった。
よく分からない君は、それはそれで面白くて、愛しくもあった。
けど、もっとそのまんまの君を知ろうとすればよかったと、今は思う。


同じように、同じ歩幅で辛いなぁってわけ合えてたら、
君の気持ち、痛いほど分かるよって、ちゃんと言えてたら。


大変だよ。キリないよ。後悔ばかりの人生。

けど、こうやって、
後悔しながら生きていこうと思う。


日々の端々に、君がいたかけらを見つけながら、生きていこうと思う。



愛をこめて。


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