IT思い出話(34)
光ファイバーを引くことの大変さ
もうちょうど30年近く前の話ですが、私は新興のベンチャー企業のシステム管理者をやっていました。ベンチャー企業の特徴として、社員の急増についていくために引っ越しをしょっちゅうしていました。
その時の悩みの種が光ファイバーの敷設です。当時はいまほどまだまだ光ファイバーが整備されていなくて、東京の都心でも工事まで1か月待ちが珍しくありませんでした。
しかし、1か月ならまだいいほうで、なんと半年待ちと言われてしまったことがありました。詳しいことは忘れましたが、オフィス周辺の道路工事とのかねあいで、ファイバー敷設工事がすぐにできないということでした。
せっかく手ごろな値段で高品質が期待できるプロバイダをみつけたのに、本当にがっかりでした。
そして、どう見積もっても新しいオフィスに引っ越してから3カ月はネット回線がない状態になってしまうところでしたが、私はなんとかこの危機を乗り越えました。
元居たオフィスにビルに関連会社がまだ残っていたので、そこと新しいビルの間を無線LANで結んだのです。無線LANといっても、そんな高性能な機器ではありません。当時売り出されたばかりの2Mbspの機器で実験的に使えるか購入したものがいきなり役にたったのでした。
オフィス間の距離はもう正確には覚えていませんが、間に障害物がなく見通せる立地になっていたので、なんとか通信ができたという感じでした。
まさに綱渡りの運用でしたが、今となっては古き良き時代の思い出話です。
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