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IT思い出話(42)

IT業界の多重構造の話

多重下請けの話は何もIT業界だけでなく、他の業界でも問題になりますがこの業界を語るうえで避けて通ることのできない話題です。

自社から客先に技術者を派遣するだけの会社はまだいい方で、受けた仕事をそのまま他社に丸投げすることが横行しています。その際、当然手数料を抜くわけですから丸投げの連鎖の端に行くにしたがって、どんどん請け負った金額が減っていくわけです。

ただ、一つだけ言っておけば契約にあたって他の会社をはさむ利点もある場合があります。例えば、個人で有名企業から直接仕事を請け負うことは信用の問題からなかなかできませんが、その間に他の会社をはさめば受注金額こそ減りますが、有名企業の仕事を間接的に受注することができます。

ただ、このような場合をのぞいて多重下請けの構造は成果物に対する責任の所在もあいまいになるのが一番の問題点です。もちろん、形式上は一番大元で請け負った会社がその責任を果たすべきですが、他社に丸投げすることからもわかるように、そのような技術力もなく、責任を実際にはとることができないのが大きな問題です。

ですから、IT業界で働く場合はこのよう多重構造のなるべく上流で仕事をするのがいいことはいうまでもありませんが、他社に丸投げするするような能力のない会社にはかかわらないのが自分のためです。

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