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標準イベントのみで設定できるファネル分析サンプル集

よく使われるファネルの設定例をいくつか紹介します。
ファネル分析を利用することで、KPIとしているユーザー行動に至るまでのどの部分でユーザーが離脱しているのか、どこがボトルネックになっているのかがわかります。


アプリでよく使われるファネル

一般的に使われるファネルをいくつかご紹介します。

🔰標準イベントのみで設定できるファネル

  • クーポンの利用をゴールとしたファネル
    アプリ起動やクーポン一覧を閲覧してからクーポンの利用が完了するまで

  • チュートリアルの完了をゴールとしたファネル
    アプリの初回起動時に表示されるチュートリアルの閲覧開始から閲覧完了まで

  • アプリのアップデート完了をゴールとしたファネル
    アプリ上でアプリのバージョンアップのお知らせを確認してからアップデートを完了するまで

🛠カスタムイベントの実装が必要なファネル

  • 新規ユーザーの会員登録をゴールとしたファネル
    会員登録やログイン機能などがあるアプリにおいて、アプリインストールからアクションを完了するまで

  • 商品購入をゴールとしたファネル
    アプリ起動や商品一覧を閲覧してから商品購入が完了するまで


標準イベントを利用したファネル設定例

APPBOXで用意している標準イベントのみを利用したファネルの設定例をご紹介します。関連するモジュールをご利用いただいている場合、そのまま設定いただくことが可能です。

1️⃣ クーポンの利用をゴールとしたファネル

クーポン利用までのどこで離脱しているのかを把握できるファネルです。
1つ目のステップにアプリ起動を入れることで、アプリを起動したユーザーを母数としたクーポン機能の利用動向を把握できます。

上記データでは、指定した期間内にアプリを起動したユーザーのうち、6.9%がクーポンを使用。
一覧画面から詳細画面への遷移で約6割のユーザーが離脱しており、ユーザーが興味を持つ
クーポンを用意できていない可能性が考えられる。

設定内容

  • イベント1:_S.app.active(アプリを起動)

  • イベント2:_S.coupon.list.appear(クーポン一覧画面の閲覧)

  • イベント3:_S.coupon.appear(クーポン詳細画面の閲覧)

  • イベント4:_SS.coupon.use(クーポンを利用)


2️⃣ プッシュ通知・お知らせ配信に起因するクーポン利用をゴールとしたファネル

クーポン利用のファネルに、「プッシュ通知到達」イベントと「お知らせ配信登録成功」イベント、「お知らせ詳細画面の閲覧」イベントを追加すると、プッシュ通知やお知らせ配信を起因としたクーポン利用を把握するファネルが作成できます。
クーポン配布のお知らせやリマインド施策を実施している場合などにご活用ください。

プッシュ通知の到達またはお知らせ配信が配信されてからクーポンを利用したユーザーは7.3% 。
クーポンの利用をゴールとしたファネルのデータと比較すると、0.4%高く、
リマインド施策をしている場合には、一定の効果があったと考えられる。

設定内容

  • イベント1:_push.receive(プッシュ通知到達 )/ _SS.notification.register(お知らせ配信登録成功)

  • イベント2:_S.app.active(アプリを起動)

  • イベント3:_S.detail.appear(お知らせ詳細画面の閲覧)

  • イベント4:_S.coupon.list.appear(クーポン一覧画面の閲覧)

  • イベント5:_S.coupon.appear(クーポン詳細画面の閲覧)

  • イベント6:_SS.coupon.use(クーポンを利用)

別ファネルへの転用例
他にも、クーポン利用促進のために行っている施策があれば、該当するイベントを入れることで同様のファネルが作成できます。
例えば、アプリ内メッセージでクーポンリマインドをしている場合、イベント1〜3を削除し、代わりにアプリ内メッセージの閲覧イベントを入れることで、アプリ内メッセージ閲覧後のクーポン利用というファネルを作成できます。


3️⃣ クーポンお気に入り登録後の利用をゴールとしたファネル

クーポンをお気に入りしたユーザーのクーポン利用動向を把握できるファネルです。
例えば、お気に入り後のクーポン利用率が高い場合、お気に入り登録を促進することでクーポン利用率を高められる可能性があります。反対に、お気に入り登録後にクーポンがあまり利用されていない場合、クーポンの利用を忘れてしまっている可能性が考えられるため、リマインド施策などを取り入れる必要があるかもしれません。

設定内容

  • イベント1:_S.coupon.favorite(クーポンをお気に入り登録)

  • イベント2:_SS.coupon.use(クーポンを利用)


4️⃣ チュートリアルの完了をゴールとしたファネル

チュートリアルの完了率を把握できるファネルです。
リテンション率にも関係する指標であり、離脱が多い場合は、チュートリアルの内容改善や、チュートリアルページ数を絞るなどの対策が必要になる可能性もあります。

このデータであれば、画面4を見ているユーザーが半数まで減るため、3つ目の画面までに伝えたい内容を入れるか、文字数を減らして直感的に伝わる内容に改善するなどの改善策が考えられる

設定内容

  • イベント1:_S.tutorial.page_1.appear

  • イベント2:_S.tutorial.page_2.appear

  • イベント3:_S.tutorial.page_3.appear

  • イベント4:_S.tutorial.page_4.appear

  • イベント5:_S.tutorial.page_5.appear


5️⃣ アプリのアップデート完了をゴールとしたファネル

アプリのアップデート対象になったユーザーが、アプリをアップデートしたかどうかを把握するファネルです。
アプリのアップデートを行うユーザーほどリテンション率が高い傾向にあります。アップデート率が低い場合、アップデートをする理由やメリットなどを伝える施策を実施することで改善できる可能性があります。

設定内容

  • イベント1:_S.forceUpdate.appear(アップデートのポップアップ閲覧)

  • イベント2:_S.forceUpdate.buttonOk.click(ポップアップのOKボタン押下)

  • イベント3:_update.env(アップデート完了)
    ※アプリバージョンのアップデート以外も含まれるイベントのため、実際よりも完了率が高く出る可能性があります


ファネル分析活用のポイント

離脱ポイントが明確になった場合、セグメントを作成することで、継続的に施策を実施し、改善することが可能です。

例えば、チュートリアルを最後まで閲覧してくれないユーザーが多いことが判明した場合。
各ステップで離脱したユーザーをセグメントとして作成し、閲覧していないチュートリアル画面に記載していたアプリの機能説明やベネフィットを紹介するプッシュ通知やアプリ内メッセージをセグメント指定で登録しておけば、段階的にチュートリアルの情報をユーザーに提供するような施策が可能です。

ファネル分析で現状把握ができれば、セグメントを活用するなどして、改善施策に落とし込んでみてください。

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