利尿薬の使用で女性の椎体骨折のリスクが増加するか。
本日より読んだ文献のメモ書きをしていこうと思います。
間違って読んでいる可能性もありますのでご了承ください。
Am J Med. 2016 Dec;129(12):1299-1306.
Diuretic Use and Risk of Vertebral Fracture in Women.
PMID:27542612
形式:
prospective cohort study
論文のPICO:
P:55~82歳のサイアザイドもしくはループ利尿薬(フロセミド)を服用している椎体骨折リスクのある女性が
I:過去2年以内に該当する利尿薬を服用する場合
C:該当する利尿薬を服用しない場合に比べて
O:椎体骨折のリスクが上がるか
結果:
サイアザイド系利尿薬使用で
Age-adjusted relative risk (95% CI):1.44(1.16-1.80)
Multivariate relative risk (95% CI):1.47(1.18-1.85)
ループ系利尿薬(フロセミド)使用で
Age-adjusted relative risk (95% CI):1.63(1.16-2.28)
Multivariate relative risk (95% CI):1.59(1.12-2.25)
追跡に関して:
Person-yearsと総参加人数を考えるとおそらく平均10年位?
追跡率はThe follow-up rate has been >90% of the eligible person-time.という記載。
調整された交絡因子:
Multivariate modelではBMI、人種、活動性、転倒歴、喫煙、飲酒、Caの補充量、食事でのCa摂取の五分位数、ビタミンDの摂取量、たんぱく質の摂取量、自己申告による糖尿病、骨粗鬆症、β遮断薬の使用、ビスホスホネート薬の使用、経口ステロイド薬の使用、閉経後ホルモンの使用、直近の身体検査
雑感:
自動車事故や階段から落ちるといった高次の外傷は除外している、ということだそうですが利尿薬使用群でリスクの上昇がみられる結果でした。ただし利尿薬の使用量や頻度は今回は不明とのことなのでその辺りはモヤッとした感じです。骨粗鬆症ガイドライン2015ではサイアザイド系では骨量が増え、ループ系では減るかもしれないという記載があったと思いますが、それとはちょっと結果がかみ合わない印象です。患者群をそれらの文献で見比べた方がいいのでしょうかね。
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