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一次小説を書き始めた話

そうやって自分の書き方を見つけ、環境を整え、二次を書いて半年くらい経つと、今度は一次にも挑戦してみようかなと思い始めた。
学生時代、二次を書いたことはなかったけど(というか、二次小説というジャンルを知らず)、書いてみて一次より二次の方が断然楽!と思う。だって魅力的なキャラも世界も出来上がってるしね。一次は全て最初から自分で作り上げなくてはいけない。
それはそれで楽しみではあるけれど。


書こうと決めたのは高校生の頃、思いついたけど書けなかった話。

東北の田舎にある実家に戻り教師になった青年と、東京のアパレル業界でキラキラ働く女性の物語。二人は大学時代に付き合っていたが、求める世界の違いから遠距離恋愛をせずに別れる。しかしまだ想いが残っている女性が、青年に会いに東北へ向かう話。

──書けないだろうな、高校生の私には。キラキラ働くって、なんだ。求める世界の違いで別れるってなんだ。雰囲気で考えてるもんな。

とはいえ今も東北をよく知らないし、取材なんぞ行けるような自由な身ではないので却下。よく知ってる北陸の地方都市を舞台に、何代も続く実家を継ぐために別れた青年とCAを目指す大学生の話を書きました。今までお互いの綺麗な面しか見せ合ってなくて綺麗に別れたはずの二人が、みにくい部分も見せ合って感情をぶつけ合うが、時既に遅し。
特に閉鎖的な地方では、都会生まれの女性はなかなか馴染みにくいもの。自分の夢を捨てて男への愛だけで飛び込むのは、そう簡単なものじゃありません。そんな自分の経験も交えて書いてみました。
(※自分の経験って、そこで男性と恋愛をして揉めたとかそういうんじゃありませんよ。地方都市の雰囲気を肌で感じたということです。念のため)

書き上げて達成感よりもまず『えー私ってこんな小説書くんだあ!』って、ただただ驚いた。だって学生時代に書いていたものと全く違うんだもの。そうなると俄然、一次を書く楽しみというのも出てきましたね。その後一年で数作書きました。

一次と二次の違いの一つに愛の置き場があると思う。
例外はあるかもしれないけど、二次はCPだったりキャラだったりを愛してハピエンを書く。バッドエンドにして喜びを感じるという性癖の人もいるかもしれませんが。読むほうも基本好きなキャラが幸せになるということを望んでいる。
一次でこればかりをやると、ご都合主義になるんだよね。ただ主人公が幸せになるだけの話では、読んでる方は面白くない。だから一次は作品を愛するものだろうと。
つまり私の一次での主人公は、振られるわ捨てられるわ妻にキレられるわ・・・・・・二次での幸せ物語の反動かというくらい散々でなのであった。
いやでもそこには私の作品への愛が(略)。

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