シミュレーターでEVカーを知ろう!!
どうも、岡田です!
今月末の3/30に、東京で『フォーミュラE東京ePrix』が開催されることはご存じでしょうか?
日本初の市街地コースでのレースということで、歴史的な1戦になる訳ですけれども・・・どーにも『フォーミュラE』というレース、もとい『EVカー』に馴染みが持てない…。
という僕やアナタでも、シミュレーターなら色んなEVカーを体験出来て、馴染むことができるわけですね~
そんな訳で、今回は色々シミュレーターで体験できるEVカーを紹介していきます。
■市販EVカー(GT7)
すでに街中で、たまーに見かける電気自動車(EVカー)
2009年の三菱i-MiVEや2011年の日産LEAFなどから、日本でもEV車が街中を走るようになり、GT5やGT6にはそれらの車も入っていますが、現行のレーシングシミュレーターソフトには現行の日産LEAFやSAKURA、Honda eといった国産EV車が入っていません。
(アセットコルサのMODにはあるけど、MODなのでどこまで再現されてるか…)
ということで、まずはGT7に収録されている海外ハイパフォーマンスEV車を見ていこうと思います。
・テスラ モデル3 Performance '23
最近のEV車と言えばテスラ!
2008年の『ロードスター』が最初に生産された車で、かなり新興メーカーな訳ですけれども、近年のゼロ・エミッション流行りも受け都会ではよく見かけるようになりました。
どうにも車の名前と、全ての車が同じシルエットに見えてしまってテスラって何車種あるのか分かってなかったのですが、『S』『3』『X』『Y』の4車種があるそうで、モデル3は一番小型のセダンタイプになります。
GT7に収録されている『Performance』は、ブレンボブレーキなどを装備したモデルなのですが、539馬力で550万円って結構安いですよね。
今ガソリン車でそんなコスパの車無いような…
テスラがどんなものか、筑波を走らせて試してみましょう。
タイヤは標準のSHタイヤ。
消費電力も見てみたいので、燃料の消耗は10倍で走らせてみます。
でっかいiPadが目に付く車内。
電気自動車はとにかく静かで、超ハイトルク四輪駆動車、そしてバッテリーを積む関係で重量級ですので、テスラに限らず基本的には直線番長車になります。
見た目からは想像しにくい程の加速で気持ちよくなりますが、ブレンボブレーキをもってしてもとにかく止まらない…w
コーナーでは無理せず…を繰り返し、タイムは何と1分1秒100!
速い!!
実車でもテスラモデル3は筑波1分切りを達成して、現電気自動車最速となってますので、吊るしで1秒台というのはあながち不可能でもない…のか?
ちなみに1アタックしての電池残量は57%でした。
・ポルシェ タイカン Turbo S'19
ハイパフォーマンス電気自動車と言えば、ポルシェのタイカンを忘れてはいけませぬ。
ドイツの自動車メーカーということで、2030年までにラインナップのすべてをEV車にしなければいけない立場だったポルシェ。
完全EVポルシェの実現は2019年と、かなり早めに実現しております。
タイカンの大きな特徴は2つあり、まずはEV車ながら2速トランスミッションを搭載している点。
グランツーリスモでもそこは再現されておりますが、サーキット走行ではほぼ2速ホールドのまま走るのでそれほど恩恵は無し(笑)
ただし、街乗りでは良いんだろうなというのは体感できます。
もう1点が「オーバーブースト機能」
電気自動車のタイカンに「Turbo」ってどういう意味?と思ってたんですが、元の625馬力から「オーバーブースト機能」を使うことで761馬力まで上げることができる機能…だそう。
GT7では常時「オーバーブースト状態」なので、こちらは体感できません…。
電池残量は…%で表示できないので分かりませんが、多分テスラと同じくらいです←おい。
市販ハイパフォーマンスEV車を2車種GT7で乗りましたが、EV車のサーキット走行の基本は「立ち上がりのプッシュアンダーをいかにして抑えて走るか」にかかってることがよく分かりますね。
急にトルクが掛かっちゃうので、アクセルワークも気を使います。
ブレーキングもエンジンブレーキに頼れず、踏力だけで気合で止めてる感があって、なかなか難しいです…。
■フォルクスワーゲンID.R(GT7)
ここからはレーシングなEV車を紹介しましょう。
・・・その前に、走行体験に必要な『基準』を用意します。
レーシングなEV車の試走は筑波では小さすぎるので、コースを富士スピードウェイに変更。
燃料とタイヤ倍率は1倍ずつにします。
基準としてWECに出ているハイパーカー・トヨタGR010で同じ設定の富士を走行。
タイムは1分30秒011。消費燃料は2%で、富士を約60周周回できるみたいです。
この数値を基準に、レーシングEVを見ていきましょう。
・フォルクスワーゲンID.R(GT7)
まずは2019年にEV車の可能性を示す目的でVW社が開発したプロトタイプカー『ID.R』
競技としてはパイクスピーク・ヒルクライムに参戦し、7分57秒のコースレコードを記録し2018年の総合優勝を獲得。
2019年にはニュルブルクリンク・北コースでのタイムアタックで6分6秒をマークし、EV車レコード記録を今も持ってるスゴイ車です。
タイムは1分30秒947
強力なダウンフォースとハイグリップなタイヤのおかげで、市販EVではおっかなびっくりだったEVの加速が丁度よく感じてバランスの良い車です!
乗ってて楽しい!
ブレーキも相当効きが良く感じます。
ただし、1周で13%の電力を消費。
EV車はHV車と違ってバッテリーが切れたガス欠と同じなので、計算上富士を7周ちょっとしか走り切れないことに…。
GT7ではピットでガソリンと同じようにバッテリー充電することができますが、GR010で2%しか消費しない設定で13%も消費してしまうと、距離の長いレースでは勝負権がなさそうです。
ID.Rは耐久レーサーではなくスプリント競技専用の車だからと言ってしまえば、確かにそうなんですけどね…w
■ポルシェ・ミッションR(iRacing)
続いてはGT7から離れて、iRacingから『ポルシェ・ミッションR』を紹介!
2021年にポルシェが発表したオールEVのレーシングコンセプトカーで、現在ポルシェカップカーの未来の姿をイメージしたスタディモデルです。
実車は実際にレースに出たりタイムアタックをしたりはしていませんが、2022年シーズン4よりiRacingに追加され、『Mission R Challenge』というオフィシャルレースでワンメイクレースが行われています。
ポルシェ ミッションRは『Power Mode』を選択でき、680psの「Race」と1,088psの「Qualifying」から選べます。
・・・1,088馬力って何??w
とりあえず、この2モードを試して走らせてみましょう。
↑レースモード
↑予選モード
タイムは「Race」で1分42秒842、「Qualifying」で1分38秒164となりました。
車重が約1,500kgあるそうなので、レースモードだと四駆のポルシェカップカーって感じ。
低速での加速が鋭く、鈍重ながらメカニカルグリップが結構あるので、ワンメイクレースは確かに楽しそうですね!
問題は「予選モード」よ。
何やねんこの加速ゥ!
1,500kgもある車体が一気にありえない速度域に入るから、ブレーキングが辛すぎる(笑)
ダウンフォースやグリップ感が薄いので、タイムはスーパーGT300マシンくらいですが、だいぶ癖が強いです。
iRacingでこんなに「四駆」を感じれる車、他にないんじゃなかろうかw
消費電力ですが、iRacingのブラックボックス上だとレースモードで富士17周、予選モードだと8周くらいで電力が尽きてしまうみたいです。
GT7同様、ピットで充電すれば走れますが、やはり長距離走行には向いてなさそうですな。
ガソリン車でもグループCとかは「予選ハイブースト」で1,200馬力出してた車もいましたが、EV車でも680馬力の車が予選で1000馬力出して走る的な楽しみを作れることを示してくれてますね!
■VGTのEV車(GT7)
再び『GT7』に戻りまして…
グランツーリスモには、各自動車メーカーが「理想とするグランツーリスモ」をお題にコンセプトモデルをグランツーリスモ上でリリースさせる『ビジョン・グランツーリスモ(VGT)』があります。
賛否両論あるこの企画ですが…。
このVGTで「未来のEV車」をイメージし形にしているメーカーもいくつかあり、今回はその中から3車種紹介します。
・ポルシェVGT
GT7のパッケージ車にもなっているポルシェVGT。
これまでのポルシェの歴史を踏襲しながら、ライトウエイトEVマシンとなるのが「ポルシェの描く未来」…といった感じでしょうか。
それは良いんですけど、馬力は1,114psと「ミッションR」予選モードを上回ってきてます💦
そこまで出力高めなくてよくないでしょうか?w
タイムは1分34秒198
乗り味は物凄く、アクセルオンでドアンダー!w
レースカーではなく市販車想定なのか、足回りが柔らかめで、立ち上がりでフロントが浮いてグリップが効かなくなる感じ。
1,114psのEVパワーは強烈で、それを受け止めるトラクションも凄い。
とんでもない加速Gを体が受けそう。
ただしモーター回転数が吹け切ってしまうため、最高速はそれほど伸びず…。
消費電力は1アタックで10%を消費したので、およそ富士10周走行可能。
ミッションR予選モードより出力は高く、電費?は良くなってるので、最新技術の進化を体感できます。
・ヒョンデ N 2025 VGT
続いては韓国・ヒョンデのVGTマシン。
VGTとしては少し古く、2015年9月のフランクフルトモーターショーで発表された「‟N”ブランドの未来」を描いた車です。
ヒョンデは初めて量産EV車を作ったメーカーでもあるため、「理想のグランツーリスモ」を問われたらEVってことなんでしょう。
ただし、GTSportからの『Gr.1』規定ではEVがダメらしく、「ヒョンデ N 2025 VGT(Gr.1)」ではガソリンエンジンにされてしまっていたりする。
タイムは1分24秒268!
トヨタGR010より速い!
あと、この車はサウンドエディターが入ってるのか、EV車なのにガソリン車っぽい音がしてます。
作り物とはいえ、結構カッコイイ音してる…
Gr.1仕様が存在してることからも、LMP1やハイパーカーを狙って作られてそうですので、コーナーリング性能も高いし、四輪駆動なのも相まって立ち上がりも鋭く走れます。
消費電力は具体的な数値が出ないので分からないですが、10%も使ってなさそう。
ガソリン車ほどじゃないですが、結構長い距離走れそうですね。
・ジャガーVGT SV
長い長い今回の記事…w
最後に紹介するのはフォーミュラeにも参戦している、ジャガーのVGTです。
ジャガーVGTは『Coupe』『SV』『Roadstar』の3種類設定されているのですが、最もレース思考なSVを今回は取り上げます。
他2種もモーター出力は1,000psを超えていて、ポルシェVGTと同じような感じの印象なのですが、このSVは何とモーター出力1,903psに及びます。
凶器過ぎる。
タイムは1分22秒211!
この車もレース想定でダウンフォースはしっかり出てるはず・・・なのですが、あまりに馬力がありすぎて、アクセル踏んだら真っ直ぐにしか進みませんw
富士のストレートで422km/hも出てやがる…えぐい。
この車も具体的な電力残量が表示されなくて分かりませんが、パワー出しすぎててちょっと電費は悪そうです。
一応耐久レース想定らしいんだけど…w
あとこの車、ストレートでリアから白煙ぶちまけながら走ってるんですけど、これは何なんでしょうか?w
VGT系はパワーインフレが凄すぎて、1,000馬力は当たり前になっちゃってるんですけど、例に漏れずEVマシンもド級の車ばかりですねw
ただ、ミッションRがそうであるように、EV車にとって1,000馬力ってそんなに驚く程とんでもない馬力ではないのかな?っと思ったり…。
あと、個人的にはやっぱり、このクラスの車がほぼ無音でサーキットを走るのに違和感を感じてしまう…w
その中でもヒョンデVGTは結構いい音を演出で出してくれてて、好印象でしたね。
■フォーミュラeを体験できるシミュレーター
現在東京・銀座にある『日産クロッシング』では、「NISSAN FORMULA E PARK」という『フォーミュラE東京ePrix』開催を記念したイベントが開催されておりまして、こちらでNISSANフォーミュラeを体験できるシミュレーターが楽しめます!
ZENKAIRACINGのシミュレーターで、元は僕が墨田ファクトリーからiRacingの大会に出ていた筐体なので、乗った感じの本格さは保証します!
「NISSAN FORMULA E PARK」でのシミュレーター体験は3月30日までですので、期間内にぜひ遊びに行ってみてくださいね!
ということで、調子に乗ってたら5,000文字超えて書いた「シミュレーターでEVカーを知ろう!!」
読んでみて、そういったEVカーで争われるフォーミュラEに興味は持たれましたでしょうか?
僕はすごーく興味出て来たし、東京に住んでるから東京開催の市街地コースレースを生で見てみたいのですが…
何とその日、おそらく大阪で仕事しとるとですよ😅
僕はTVで観戦いたしますので、皆様月末はぜひ東京で銀座日産クロッシングでシミュレーターに乗った後、フォーミュラEをお楽しみくださいませ!
今回は以上!
岡田
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