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シミュレーターのステアリングアングル値について

どうも、岡田です。
今回は久々にeモータースポーツ参戦結果報告じゃなく、コラム的な奴ですw

レーシングシミュレーターのステア切れ角を設定できる「ステアリングアングル値」についてのお話と、僕個人的にお勧めの値のお話です。
※あくまで岡田の勝手な仮説です


■ステアリングアングル値とは?

例:MOZA Pithouse

ステアリングアングル値とは、モーターベース(ステアリングモーター)に接続したステアリングが、最大でどれだけ回転できるようにするかを決める値です。

ロックトゥロックとも表現されますが、左に目いっぱい切った後、右に目いっぱい切る間にステアリングが何回転するか、という値ですね。

実車ですと、乗用車~スポーツカーがだいたい1080°~900°(3回転~2.5回転)、レーシングカーで540°くらい(1.5回転)、F1マシンで360°(1回転)程と言われています。

基本的にレーシングシミュレーターのロックトゥロック値も、実車に合わせ900°前後、もしくはF1のゲームメインであれば360°に合わせている方が多いかと思われます。

僕もそうしていたのですが、最近「この値を実車のロックトゥロック値と同じにすればイイってもんでもなくない!?」と思ったのが、今回の記事のお話です。

■ステアリングギヤ比に該当する設定

レーシングシミュレーターにおいてステアリングの切れ角は、2ヵ所で設定します。

アセットコルサ「コンテンツマネージャー」ステアリング設定画面
iRacing「OPTIONS」設定画面

一つは、アセットコルサやiRacingのオプション画面で設定できるステアリング角度

例:MOZA Pithouse

もう一つが、使用しているデバイス専用の制御ソフトです。
MOZA RACINGなら『MOZA Pithouse』、FANATECなら『Fanatec Control Panel』、SIMAGICなら『Simpro Manager』というやつですね。

この2ヵ所をどちらも900°、または360°に設定して使用されている方が多いかと思いますが、実車のステアリングの機構をよく思い出すと、ロックトゥロックとはまた別に「ステアリングギヤ比」という値もありますよね。

例えば同じロックトゥロックが900°の車でも、ステアを同じく10°切った時に実際についてるタイヤの切れ角は各々違ったりするわけです。
ギヤ比が高い(小さい)からこそ、F1は最大ステア切れ角360°でもタイヤに切れ角が付いて、小さい動作でドライブすることが出来るんですね。

実車だとこのステアリングギヤ比を調整するには、ラック&ピニオンを他車流用するとか、パワステを弄る等する必要があり、簡単に調整できるものではないのですが、レーシングシミュレーターでは2つのステアリングアングル値設定の内、デバイス制御ソフト側を替えることで、実質的にステアリングギヤ比を弄ることが可能です。

例としてアセットコルサ側の値は900°のまま、MOZA Pithouseの最大アングル値を変えてみたのが以下の画像。

アセコル:900° MOZA:360°
アセコル:900° MOZA:900°
アセコル:900° MOZA:2700°

3枚とも、アセットコルサ上では約90°ステアリングを切ってるのですが、実際にはMOZA Pithouseの最大ステアリングアングルが360°で35°、900°で90°、2700°にすると265°もステアリングを切っています(笑)

シミュレーターソフト側、デバイス制御ソフト側両方で同じ値にすると、実際にステアを切ってる角度がシミュレーター上でも入力されますが、デバイス制御ソフトのステアリングアングル値を下げると、ステア操作に対して敏感になり、逆に上げるとステア操作に対して鈍感になります。

■実車とシムのタイヤの使い方の違い

レースシムで「フロントタイヤのグリップを101%以上使う」は厳禁!

結論から言うと、僕はシミュレーターにおいてはデバイス制御ソフト側の最大ステアリングアングル値を上げる。つまりステア操作に対して鈍感にする方が良いと思っています。

基本、レーシングシミュレーターで走るときは、無意識のうちに実車で走行している感覚でステアリングを切っていると思いますが、特に実車である程度熟練度があってシミュレーターに慣れていない人ほど、ハンドルを沢山切る傾向にあるように思います。

1. 実車と違い横Gが無いため、どれだけ曲がれてるか分からず、無意識にステアに頼って車を曲げようとする。

2. スピード感覚が合わせられず、実車より速いスピードでコーナーに進入し、アンダーステアを出して切り増そうとしてしまう。

3. 実車はある程度ステアリングを「こじれば」反応して曲がっていける。

他にもあるかもしれませんが、僕は主にこの3つがシミュレーターでハンドルを切り過ぎてしまう原因だと思っています。

特に「3.」が実車とシミュレーターで大きく違う所で、実車のタイヤはゴムと路面の食い込みで、縦・横のグリップを99%使った時と101%使った時で同じくらいなイメージなのですが、シミュレーターはタイヤのグリップの限界に達した途端に曲がらなくなる傾向があります。

僕は逆に純シミュレーター上がりの運転の仕方をするので、実車でレースをする時もステアリング操作は「ゆっくり、陀角は少なく」という癖が未だに抜けていません。
逆に、実車のプロドライバーでシミュレーターは苦手と公言されている選手のドライビングは、激しめのステア操作であることが多いと思います。
※岡田の偏見です。

特に調整しないまま実車と同じようにシミュレーターのステア操作を行うと、陀角が大きすぎる・操作が早すぎるせいでタイヤのグリップ力を生かし切れず、「実車と違う、思い通りに走れない」と感じる原因になる…という仮説ですw

■お勧めのロックトゥロック値設定

岡田のお勧めは、シミュレーターソフト側を900°にしたうえで、デバイスソフト側を1000~1100°に調整。

そこで、ロックトゥロック値を調整して、実際のステア操作に対してシミュレーター内の動きを「ダルく」することで、実車のイメージで操作しながら、シミュレーター内ではハンドルを切り過ぎてないようにセッティングするのが、僕の中では当たりなんじゃないかと思っています。
※岡田の勝手な仮説です。

具体的には、アセットコルサやiRacing側を900°にし、スポーツカーやワンメイクレースカーで1000°、ル・マンカーやフォーミュラ系マシンで1100°が最近僕が使ってるセッティングです。

当然乗り方で変わるので、逆に全然ハンドルを切らない乗り方をする人はステアリングアングル値を下げて、操作に対して敏感にした方が良いでしょうし、使用するステアリング自体の重さによってもフィーリングが変わるでしょう。

シミュレーター内の車のセッティング(車高とか足回りとか)は何かと話題になったりしますが、デバイスのセッティングもほぼ無限にあるのがレーシングシミュレーターの難しい所…。

ステアリングアングル調整は、ステアリングの反応が劇的に変わると思うので、もしあまり気持ちよくシミュレーターに乗れてないという方や、今まで触ったことが無いという方は、是非一度調整してみてはいかがでしょうか?

今回は以上!
岡田

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