見出し画像

富士山の麓で星を見た

今までの人生で、一番ロマンチックと思うことは富士山の麓で星を見ることだ。

2014年2月、高校一年生の私はクラスメイトと一緒に日本へ遊学に行ったんだ。富士山は日本の代表的な観光地として私たちの遊学のスケジュールに入っていた。

バスに乗り、6時ぐらい富士山の麓における旅館に到着した。夜10時、先生は私たちを室内のプラネタリウムに案内した。そこで、係員は星の名前とか星座の模様を紹介してくれた。それは、人生初めてのプラネタリウム体験だったから、興奮しすぎて自分の星座を見た時泣いたんだ。(若すぎてよく変なことするね)

プラネタリウムの体験が終わったら、私たちはバルコニーへ星を見に行った。室内と全然違う。雄大で壮美な星空を見、涙が思わず溢れていた。富士山の頂上にはまだ雪が残っており、その上は星が散らばっていた。自然って、なんて綺麗なものなんだろう。自分がこの世界でいかに小さな存在だとその時から知った。

その時突然、隣の人のつぶやきが耳に入ってきた。「これを見たら死んでもいいよ」って。私はなぜか微笑んだ。そうよ、冷たい冬の風に包まれ、自然に囲まれたその時の私達は、ただ大きな宇宙の中に隣り合った二つの細かい埃に過ぎなかった。いつ死んでもおかしくない。誰も気づいてくれないまま、自然と一体になる。死んでもいいよ。いっそ、このにぎやかな世界から逃げ出せればいいよ。「そうね、死んでもいいよ。」そう言い出したとたん、彼女と目があって、互いに相手の顔を見て笑った。それは、私とウサギさんが一生の親友になるきっかけだった。

その日の夜、風の匂いは、水のように清い。今でも覚えており、そして、一生も忘れない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?