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マンション管理を自分でやってみた

農業機械メーカーで仕事をしていた全く不動産の知識も、コネもない私がマンション管理をやってみました。


環境が激変したマンション周辺

大学の移転

マンションの立地条件自体は非常によく、国立大学まで徒歩数分。学生や教職員など関係者が多く住む地域でした。マンションの部屋タイプも1Kと2DKが半々のタイプで大学から近いということもあり、新築から7~8年はずっと満室が続きました。

大学の移転は決まっていたもののなかなか進まなかったのですが、移転先の問題がクリアになったのか急遽移転が始まります。

生徒数・職員数あわせると約3万人いるので、3万人もの人が町からいなくなりました。飲食店も次々に閉店、または、移転先に引っ越すお店も相次ぎ寂しくなり、当マンションも学生が住んでくれていた1Kの部屋は空室が目立つようになりました。

築15年くらいの頃は36部屋のうち10部屋ほどが空室という時期もあり非常に厳しかったですね。

管理会社Aの対応

当時管理をお願いしていた管理会社Aは新築時からお世話になっており、マンション設計時にも関係していたことから「大学が移転することはわかっていたので学生しか入らないであろう1Kタイプの部屋をニコイチして1LDKの部屋に改装しやすいように設計しているのだからその工事をすすめましょう!」「家賃が高いので値下げしましょう!」と提案してきました。

何にせよ、目当てにしていた学生がこれだけいなくなったのだから空室は出て当たり前だ。改装したり、条件を変えることで入居者をあてようというものです。

信用できなかった管理会社A

管理会社Aは敷金など大きな額が入ってきたときに、大家への入金が遅かったり、指摘しないと入金しなかったりと長い付き合いからか普段の報告面はもちろん金銭的なところも怪しいことがあり、かえることにしました。
急にやることになったマンション管理


マンションの自己管理へ

管理会社Bに変更

大家が代がわりしたということで親の代からお世話になっていた管理会社Aから、自分の友人がしている管理会社Bに変えました。
その際に最終的に自分で管理したいので移行期間を1~2年とさせてくださいとお伝えしておりました。
この移行期間は不動産の業務を知るためではなく、ちょうど勤めていた会社を辞め起業したため、他の業務が忙しく落ち着いてから管理をしようと考えたためです。

いよいよ自己管理、最初の問題は入居者付け

起業した会社の仕事も落ち着いたので管理会社Bに三か月後から自分で管理したい旨をお伝えし、受理されます。
10部屋あった空室も管理会社Bのおかげで5部屋になりました。
このことからも、大学移転で学生はかなり少なくなったものの、やり方次第では条件を変えずともまだまだ埋めることができると確信しました。

しかし、不動産関係は全く知らない素人です。当然コネもありません。
入居者を募集するのもどうしてよいかわからず、まずは入居中の方の契約書に目を通し、そこで初めて管理会社と仲介会社は別なのだということを知ります。

管理会社AからBに変更する際に、Aの社長がうちは長年この業界で食べてきている。入居者を紹介する会社との付き合いも長い、そんなBという会社にしても現在苦戦しているんだから入るわけがない、まして自己管理なんて・・といっていたことを思い出し、入居者を仲介してくれる会社との関係構築を手始めに行いました。

仲介会社への営業

大家が挨拶に行くのは珍しい

近所にある仲介会社をネットで探し一軒一軒挨拶に回りました。
その時に仲介会社の方から「大家さんが直接来るのは珍しい」と言われました。大抵は管理会社の方が空室情報を連絡にくるのみで大家が直接足を運んで仲介会社に来るのはかなり珍しいそうです。
そういった点で大家が直接仲介会社にいくのは物件を非常に覚えてもらいやすいのはメリットだと感じます。

仲介会社の種類

仲介会社にも色々種類があり分け方があると思いますが、私から見て分類するなら、不動産で財を成し自分で物件管理を手掛ける傍ら仲介業務や管理業務を行うために立ち上げた地域の不動産屋さん、もう一つは仲介業務をメインに行うチェーンの不動産屋さんです。
前者は〇〇(地域名やお名前など)不動産という名前のものが多いように思います。また後者はエイブルさんやハウスコムさんなどですね。
分け方は本当色々あると思いますが、自己管理するにあたりこの二つが大事かなと思ったのでこの2者でわけます。
最初は地域に根差しているお店の方が・・と思いましたが私の場合は全然空振りで自分で管理している物件に優先して入居者をつける(当たり前ですが・・)ためか、何軒かいきましたが管理会社Aと同じく、学生がへってるから厳しいと言われるだけでした。
そこで後者の方に絞って営業をかけましたが、そちらの方は非常によかったです。まず店舗数も多いことから来店者数が多く問い合わせも比較的いただける傾向にあります。また個人の不動産屋さんと異なり立地も駅前などに店舗を構えていることも大きなアドバンテージでしょう。

ローラー作戦

そこで仲介会社をチェーンのお店に絞ると系列関係なく全てのお店に挨拶にいくようにしました。後で知ったのですが、管理会社は付き合いもあり一定の系列店だけと付き合いがあるケースが多いそうです。そこで全てのお店に挨拶に行き、空室情報を提供することで入居希望者の目に留まりやすくなります。これは大家が自己管理する強みといえるのではないかと思います。

仲介会社のスタッフへの営業

大体の仲介会社は自分の担当の物件をもっているようです。SマンションならAさんが詳しい等ですね。
これは大体最初に店舗に行った時に名刺交換した人がそうなるのだと思います。つまりSマンションのオーナーにとって入居希望者が来店した時にスタッフAさんがいなかったら機会損失になる可能性が高いということです。
そこで仲介会社にはできるだけ近くに用事があった際は足を運び物件の名称や特徴を覚えてもらえるようにしました。
ここでのポイントは、Aさん不在でAは今出てるんですよ~と言われて終わらないようにするということです。
私の場合は農業のコンサルティングをしているということでお付き合いのある篤農家の方々がいらっしゃいます。
そこで部屋を決めてくださった時は、仲介会社の事務所の担当者に農産物を送るようにしています。
こうすることでAさんが不在でもその農産物の話になり、他のスタッフさんにも認知してもらえるようになります。
前述したように大家というだけで仲介会社の方からすれば覚えてもらいやすくなりますのでかなりこれで他のスタッフさんにも知られるかと思います。

そして満室に、しかし問題も

こうして入居者を紹介してくれる仲介会社の方々と繋がり、とりあえずあの辺りに入居希望の方がいたら〇〇さんのマンションを勧めよう。という関係までいけば満室も夢ではありません。

実際ここまでは割とやろうと思えばやれると思うのですが、実はここからが問題で、いかに長く住んでくれるのか、他の住人とのトラブルを起こさず、大事に部屋を使ってくれるのか。

賃貸経営は入居付けまでよりも実はそっちの方のウェイトが大きいと考えますが、その辺りはまた今度まとめようと思います。

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