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フェイク④

J助と美琴の会話音声は大々的に拡散された。
一転二転、この話題は大きな盛り上がりを迎えていた。美琴みおが、歌織らなを嵌めようとした。そのために男に抱かれている動画を公開した。つまり初めの動画はホンモノ。
美琴に決まっていた仕事は全て無くなった。

美琴は事務所の偉い人に呼び出された。
しかし美琴は事務所には行かなかった。そもそもマスコミが大勢いて出られる状況でもなかった。
「クソっ、あいつ裏切りやがって。」
死ぬより辛い目に合わせる。そう言ったはずだ。絶対にこの手で味合わせてやる。
J助は当然引越し済みだった。しかし、あのマンションには私の友人がいる。夜中、引越しトラックが出入りしたのは聞いている。すでに知り合いにJ助を追わせている。捕まえてくるのも時間の問題だ。
と、思っていたが待てど暮らせどJ助を追っていた知り合いから連絡はない。
「おかしい。あいつは元探偵で人探しが得意でお願いしたのに。まさか、、!」
電話をかけたが繋がらなかった。
「あいつもかッ!」
美琴は電話を投げつけた。

J助は美琴の事務所にいた。事務所の偉い人とその部下がいた。
「美琴来ませんね。」
「まあいい、どうせあいつはもう終わりだ。」
「そうですね。大切なのはこれから、ですね。」
「ああ、J助くん?だっけ。今回は大変なことをしてくれたねえ。」
「、、。」
「怯えているのかね、大丈夫だよ。君とはビジネスの話をしたいんだ。君の技術には感心してる。使い方には感心しないがね。」
「すいませんでした、、。何でもするんで命だけは、、。」
「うちを何だと思ってるんだ。まあでも何でもするか。なら君、その力をうちで活かしてくれないか。」
「、、どういったことをすれば、、。」
「動画編集だよ。もちろん。」
「それだけ、、ですか?」
「だからうちを何だと思ってるんだ。組事務所じゃない、芸能事務所だよ。最近は動画編集の手が足りなくてね。」
「それなら頑張らせてもらいます。」
「頼むよ、じゃあこれ企画書。うちのタレント約200人分かな。まずはこれの動画素材があるから。編集よろしく。」
「こ、こんなに??」
「何でもするんだろう?君のお望み通りにしてやったんだ、まあ頑張ってくれ。また動画素材が撮れたら持ってくるから。」
J助は大手事務所で大好きな動画編集をすることになった、永遠に。

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