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#ネタバレ 映画「男はつらいよ 寅次郎の縁談」

「男はつらいよ 寅次郎の縁談」
1993年作品
「おせったい」と「おせっかい」
2018/7/11 22:11 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

寅さんは、20年ぶりぐらいに映画館で観ました。

やはり熱烈なファンがいますね。大声で笑っている方も。

映画館で観ることにより、寅さん映画の長所、短所が、改めて分かったような気もしました。20年前には分からなかったけれど。

フィルム上映のせいか、終盤の何分かは、調子が悪くなって、画面が揺れたりして…これも味の内!?かもしれません。

ラジオから、SKE48の「 君はラムネ」が流れてきました。フィルム色の歌が。

★★★★

追記 ( 満男の「おせっかい」 ) 
2018/7/12 9:00 by さくらんぼ

いろいろあって、マドンナ・葉子(松坂慶子さん)に満男が言います。

「寅さんは葉子さんに一目惚れしてるんです。でも、寅さんは自分に自信がないから、いつも…」と。

すると葉子は怒ります。

「あなたに寅さんの何が分かるの? 男は顔じゃないわ。寅さんみたいに温かい人はいない」と。

その直後、寅さんとすれ違った葉子は、「寅さん、月がきれいね」と言い、ひとしきり夜空を見上げてから、去って行きます。

異性に向かって「月がきれい」と言えば、それは、「あなたが好き!」と同義語になる場合もある、と聞いたことがあります。この恋、めずらしく相思相愛だったのですね。

あれは何だったんだろう、という顔をして部屋に上がってきた寅さんに、光男は言います。

「葉子さんに、寅さんが葉子さんのことを好きだと言って、怒らせちゃった。寅さん、ごめんなさい」と。

「なにぃ~」と言ったきり、絶句して、ふて寝する寅さん。

寅さんは「怒らせた」を「失恋した」と理解したのでしょう。

「ごめんなさい」と言いながら寝る満男。

この時、恋愛の機微を知らぬ満男は、おせっかいをしただけでなく、肝心の「あなたに寅さんの何が分かるの? 男は顔じゃないわ。寅さんみたいに温かい人はいない」というセリフは言わなかったのです。

追記Ⅱ ( 父の「おせっかい」 ) 
2018/7/12 9:18 by さくらんぼ

寅さんも別のところで、こんなことを言っていました。

妾の子・葉子さんが最近遊びに来るようになったので、不審に思った父は、「子どもたちへの財産分けも終わり、もう何も無いのに、今ごろなぜ葉子は来るんだろう。財産が手に入った子どもたちは、それっきり来なくなったのに…」と、寅さんに人生相談をしたのです(ちなみに葉子さんは財産を貰っていない)。

寅さんは答えました。

「実は、私も妾の子ですから、葉子さんの気持ちが良く分かります。葉子さんは、父親が欲しかったんです」と。

ここらあたりは、映画「海辺のリア」を連想させますね。まさに父が欲しかったのでしょう。

このあと父は、葉子さんに、「土地の権利書、実印」などを渡します。「もうこれしか無いが、あなたに、あげよう」と。

このとき父は、「葉子は父が欲しかった」という話はしませんでした。

だから、「こんなものが欲しかったわけじゃないのに…」と、泣き崩れる葉子。

確かに、遺産を貰えるのは嬉しいけれど(葉子も突き返さなかった)、単にそれ目当てで来たように父に思われたとしたら(そんな目で見られたのなら)、胸をえぐられるように辛いはずです。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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