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#ネタバレ 映画 「クレイジー・ハート」

「クレイジー・ハート」
自己嫌悪は成長への特効薬である
2010-07-29 09:51さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

女性の特技は「直感」らしい。ということは聞いたことがありますが、ヒロインのジーンもそうでしたね。

しかし彼女は、その直感に従わなかったばっかりに最愛の息子を失いかけ、激しく後悔したのでした。彼女はその時、自己嫌悪に苦しんだことでしょう。

約束を破って酒を飲んでしまい、トラブルの原因を作ってしまったバッドも同様なのでした。

この映画では、登場人物の多くが「自己嫌悪」の中にいました。

バッドと、その弟子であるトミーのエピソードも、また、そうですね。

弟子の前座で出演することになったバッドも、もちろんですが、恩師を前座に迎える運命になったトミーも、言葉に語れないほどの重い気持ちに苦しんだことでしょう。

扱いを一つ間違えれば、恩師に対して、あまりにも無神経な行為、だと言われかねないリスクを抱えていた訳です。

人は大概のことでは真に勉強しないものです。「まぁ、良いか」で済ませてしまいます。でも自己嫌悪にのたうち回るくらいの経験をすれば、それは成長への特効薬になるのかもしれません。

カントリー・ミュージックは米国の伝統音楽であり、バッドは古いアメ車に乗っていましたね。

ここから私は日米自動車戦争を思い出してしまいました。日本は恩師である米国を追い越してしまった弟子です。米国の思い、日本の思い、その一端を、映画で触れられた様な気がします。

静かな映画でしたが、ひと皮向けば苦悩の感情が渦を巻いていた、そんなヘビーな作品でした。

★★★★


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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