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#ネタバレ 映画「マイ・ボディガード」

「マイ・ボディガード」
2004年作品
ビジネスの掟
2005/1/3 20:48 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

少女が「ピアノのお稽古は嫌いだ」と言ったとき、主人公は言いました。

「練習中に先生の前でゲップをしなさい」と。

先生に嫌われれば、もうお稽古に行かなくても良いからです。

先生は生徒の選り好みをしたために、一人生徒を失って損してしまいました。

「ビジネスに私情を持ち込んではいけない」。

この映画からはそんな声が聞こえてきそうです。

主人公も暗殺者という仕事をビジネスと割り切れず、心を病んでしまった男です。彼は小さな子供ぐらいなら(病んだ俺でも)大丈夫と、ボディガードの仕事を引き受けますが、子供からなつかれて、つい、わが子の様な感情を持ってしまう事になります。主人公はここでもビジネスと割り切る事が出来ませんでした。そして深入りし、命を落とす事になるのです。

子供を拉致した敵もそうです。彼は「これはビジネスだから」と子供を殺さなかった所までは良いのですが、身内が相手の捕虜になっている事を知ると、身内と主人公を渡すことを条件に子供を解放してしまいました。この時主人公はすでに瀕死の状態であり、敵にとっては価値の無い獲物となりました。敵は復讐心の為にクールなビジネス判断を誤り、結果的に大金を取りそこなったのです。

少女の父親もそうでした。保険金欲しさに自分の子供を使って狂言誘拐をした為に、その計画が狂った時には家庭崩壊となり、父は死を持って報いなければならなくなりました。家庭に関与しない計画を立てていればと悔やんだ事でしょう。

不発に終わったり、発射されたりの弾丸は、「神が弾丸に私情を込めた」という意味でしょうか。

「ビジネスに私情を込めてはいけない。しかし私情を込めなければアーティストとしての資格が無い」とでも結んでおきましょう。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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