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#ネタバレ 映画 「黄金のアデーレ 名画の帰還」

「黄金のアデーレ 名画の帰還」
2015-12-09 07:18byさくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

オーストリアとオーストラリア マリアが名画「黄金のアデーレ」を取り返したい理由は、自分を可愛がってくれた伯母アデーレの肖像画であり、それをナチスに奪われたからです。画と言うよりも奪われた親せきを取り返したかったのです。

でもオーストリア政府は、金銭的、芸術的な価値から手放したくなかったのですね。さらに、この返還要求に応じてしまうと、日本との間を始め、世界中で同様な問題が噴出する恐れがあるので、秩序の維持からも応ずるべきではないと、問題の本質ではなく、付け足したような理屈まで考えているのです。

しかし裁判では、奪われた親せきを取り返したい、という本質がシンプルに認められ、画は返還されました。

映画の途中に、こんなセリフが出てきます。オーストリアをオーストラリアと勘違いした人が、「オーストラリアへ行ったらコアラ(カンガルーだったかな)が見れるね!」みたいな。

このセリフも主題のワンピースかもしれません。「視点を誤り、違う結論を導きだす」という意味において。

ホロコースト関連では、沢山のユダヤ人たちが犠牲になりました。その数は諸説ありますが、少なくとも600万人以上(Wikipediaより)とされています。それぞれに、この映画の叫びと同等の人生があったはずです。

そして、この映画には既視感がありました。子供を取り返すために奮闘する女性を描いた映画「あなたを抱きしめる日まで」を思いださせたのです。映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」も良い映画でしたが。こちらは今ひとつパンチに欠けました。

余談ですが、私のH.N.「さくらんぼ」の意味も、さくらんぼの果実がイラストではたいてい2つ付いている様に、映画の表と裏の物語を語りたい、と言う願いから付けたものです。願いだけで実がついていませんが。

★★★☆


       (  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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