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#ネタバレ 映画「旅するダンボール」

「旅するダンボール」
2018年作品
いきなり当事者になる私たち
2018/12/19 22:06 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

映画の入り口で、一人一人に段ボール箱が渡される映画です。

それにはジャガイモの絵が書いてあり、「これは、きっと、帰りに『ジャガイモ詰め放題のコーナー』が待っているに違いない、それ以外に、こんなものを配布するはずがない」、そう思って、客席へ急いだのでした。

しかし、周囲を見渡しても、そんな屋台はありません。

私たちは、その謎を解くため、主人公と共に、段ボール片手に、迷宮を旅することになるのです。

★★★★

追記 ( さわやかな好青年 ) 
2018/12/19 22:18 by さくらんぼ

大変失礼ですが、主人公の彼、カメラ写り、いや、チラシ写りが、今回あまり良くなかったようです。

でも、映画の中の彼は、才能がある上に、好青年で、倍率100倍の一流企業に、面接を遅刻しても、採用されたほどなのです。

(失礼ながら)私たちも映画を通して、倍率100倍の彼をじっくり面接することが出来ます。

追記Ⅱ ( 野暮な詮索 ) 
2018/12/20 9:25 by さくらんぼ

彼は「段ボールに恋した男」なのですが、なぜそこまで惚れこんだのかは謎です。

表向きの理由は語られているようですが、精神分析でもしなければ、きっと深層までは分からないだろうし、彼とて、そこまで自己分析しているかは謎です。

そもそも、恋する者に理由を尋ねること自体、野暮というものかもしれません。

その上で、私が想像できることは…もしかしたら、(昔、飲食店や、バーなどでもらえた)「マッチ箱の収集家」に通じるものがある、のではないか、ぐらいでしょうか。

追記Ⅲ ( 英語によるバイアス ) 
2018/12/20 9:34 by さくらんぼ

この映画のナレーションは英語です。だから日本語字幕つき。

これは「世界中で上映したい」との、もくろみだと思いますが、「外国人が見た日本という異世界」みたいなバイアスが生まれましたので、日本人が見ても新鮮に感じました。

追記Ⅳ ( アーティスト魂 ) 
2018/12/20 10:04 by さくらんぼ

この映画のストーリーを、ざっくり言えば、「アーティストが古段ボールで作った財布を、段ボールのデザインを考えたアーティストに届ける、里帰りさせる話」なのです。

アーティスト同士、「琴線が同じところにあるらしい」ことも効果的に効いたようで、デザイナーご夫婦は涙ぐんでいましたし、こちらまでジーンと気持ちが伝わって来ました。

この辺り、NHK・TV「プロジェクトX 挑戦者たち」の、エンディングテーマ「地上の星」を思いだしました。

「 みんな何処へ行った 見送られることもなく 」

( 「地上の星」 作詞・作曲・歌:中島みゆき より抜粋 )

追記Ⅴ ( これは「ワークショップ」でもある ) 
2018/12/20 10:21 by さくらんぼ

>映画の入り口で、一人一人に段ボール箱が渡される映画です。(本文より)

>この映画のストーリーを、ざっくり言えば、「アーティストが古段ボールで作った財布を、段ボールのデザインを考えたアーティストに届ける、里帰りさせる話」なのです。(追記Ⅳより)

そして、その財布こそ、入り口で渡された段ボールで作られていたのです。きれいな黄緑色の、「鹿児島 徳之島特産 Fresh Potato」の段ボールで。

映画には、ワークショプで沢山の人たちが財布作りをしているシーンがあります。段ボールをもらった私たちは、それを思いだして、財布を作ることも出来そうです。

ただし、説明書とか蓋のボタンはついていませんので、いろいろ考えて作らなければなりません。材料もギリギリの大きさみたいですから、映画と同じものは作れないかもしれませんね。だから、自己流にアレンジして。

追記Ⅵ ( むき出しの包丁 ) 
2018/12/20 11:01 by さくらんぼ

私のいた会社でも段ボールは大量に使いました。定期的に搬入される書類が入っていた段ボール。毎年、文書廃棄や保存に使う段ボール。不足分は近所のスーパーへ、もらいに行ったりしたこともありました。

新人の頃、私はその段ボールで指を切ったことがあります。

新しい段ボールの角は(特にカッターナイフで切断した場所は)、紙であっても「包丁のように鋭利な切れ味」を見せることがあります。紙だからと油断しているといけません。

先日放送されていた、TVドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(ケンカツ)の主演:吉岡里帆さんのように、優秀で、若くて、気だての良い、後輩がいました。

彼女が新人のとき、さっそく私は「段ボールの怖さ」を教えましたが、彼女もまた、数か月後には指を切ってしまいました。やはり人間、痛い目をしなければ本当には理解できないものなのかもしれませんね。

むき出しの段ボールは、不用意に家の中に置いておくと、うっかり足で蹴飛ばせば足が、手が触れれば、手が切れる心配があります。

同様に、雑踏を持って歩くのも、電車に乗るのも危険です。

それを理解の上で、段ボールを楽しみたいと思います。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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