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#ネタバレ 映画「ニライカナイからの手紙」

「ニライカナイからの手紙」
2005年作品
手紙も最高の贈り物になる
2009/6/12 17:06 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

映画生活の掲示板に書き込むときは、読み手にどんな人たちを想定しているのでしょうか。日本語の分かる世界中の人、と答える人もいるかもしれませんが、私の場合は中学生ぐらいの年齢の善男善女の皆さんへ向けて書いています。自然体で書くと、なんとなく、そういう気分になるのです。また、若くピュアな彼らの心に、オヤジーな考えは、あるいみ新鮮(迷惑かもしれないね)だろうとも思っていますし。

でも掲示板の書き込みなんてPCを切ったら消えてしまう。寝食を忘れて書いたものでも、まったく陽炎の様にはかないものです。もしプリント・アウトし直筆のサインをして封筒で届けたら、少しは価値が上がるのかな。

本当は全文肉筆で書き、封筒で届ければよいのかもしれない。私の書き込みだけでなく、どなたのものでも、そうしたら価値は上がると思います。私のものよりもはるかに(掲示板と手紙の単純な比較論です。誤解の無いようにお願いします)。

PCやケータイ、掲示板にメール。世の中は便利になりましたが、肉筆の手紙には勝てない部分もあるようです。

映画「ポストマン」とどこか似ていますね。郵政民営化の嵐の中、郵政の、そして手紙の価値を再発見してもらうのが使命の映画だったのかもしれません。でも、それだけで切って捨てるのはおしいほど2本の映画は良く出来ています。

「ニライカナイからの手紙」の、母が何年も前に亡くなっていたという結末は、主人公には衝撃以外の何ものでもないと思われ、こちらまで胸がかきむしられるような気持ちになり涙しました。

しかし、その直後、島中の大人が総掛かりで、何年間も母の死を秘密にし、少女を守っていた事まで考えが至ると、こんどは、その暖かさで、ふたたび涙が止まらなくなるのでした。

その中心にあったの母の手紙。

手紙という最高の贈り物を観た瞬間でした。

★★★★☆

追記 ( ベートーヴェンからの手紙 ) 
2014/9/22 6:32 by さくらんぼ

世の中には「ベートーヴェン命」な方もいらっしゃると思いますが、そういう方からは、御叱りを受けそうな話を、少しだけします。

じつは私はベートーヴェンの処遇に困っていました。

毎夜、いろいろな音楽を聴くのですが、Classicを聴く場合はバッハが中心でした。魂を鼓舞するようなベートーヴェンのシンフォニーは、あまり夜のやすらぎには合いませんから。

昼寝(そんなものするなよ)の時間にも、子守唄としては刺激が強すぎます。

朝は、もちろんバロック音楽が美味しいです。これはFM放送の人気番組が「まかしとけ!」と言ってくれます。でも、今日は日曜日だからかFM放送でもやっていませんでした。

それなら「じゃあCDでも…」とCDプレーヤーを見ました。

紆余曲折あって、家には3台のCDプレーヤー(もちろんエントリークラス)がスタンバイして演奏をまっています。いちいちCDを交換するのも、PCのHDに記憶させるのも操作が面倒ですし、HDのクラッシュも心配で、あまり好きではありませんので、いつのまにか、こうなってしまいました。

けっして自慢できるような高価な機械ではありません。本当はミニコンポ1台が省スペースで良いと思っているぐらいですから。

ケンウッドのミニコンポには、子守唄代わりにフォーレのノクターン、エレキットには、人恋しい夜にJAZZからダイナ・ショア、いちばん手元のケンブリッジオーディオには、ここ数日聴いている、教会にでも居るような気分になる、バッハのカンタータがセットしてあります。

とりあえず手元のバッハのカンタータを、これも手元にあったベートーヴェン序曲集に交換しました。もちろんバロック音楽のCDもありますが。

プレイ・ボタンON……………♪♪♪

良いですね、朝はコレも、良いです。

ぼんやりした朝の頭を、コーヒーのカフェインが目覚ましてくれるがごとく、ベートーヴェンのリズミカルで強靭な音楽も目覚まし時計代わりになりました。ベートーヴェンの音楽は、頭をすぐに完全覚醒させて、輝ける今日の人生を起動させるためのものでした。

では、朝の定番、バロック音楽とは何が違うのかと言うと…

バロック音楽の穏やかさは、目覚めの微睡(まどろみ)のなかで、レースのカーテンから漏れてくる朝の光のなかで、その時間を、もう少しだけ楽しむものだったんですね。比較して、あらためて分かりました。

もし手紙に、それぞれ届くに相応しい時刻があるとしたら、ベートーヴェンさんからの手紙は私的には「朝」向きだったのでした。

英語圏でグッド・モーニングという朝の挨拶が言える時間のBGMとしてオススメだと思います

それはそうと、

映画「ニライカナイからの手紙」は泣けます。

ひさしぶりに思い出しただけでも泣けて仕方ありません。TVでの放送に期待します。

しかし、考え方を変えると、秘密を守り続けた田舎の結束と言うものは怖いですね。おそらく、あの結束があるから、逆に、村八分も生まれるんでしょうね。

あの奇跡的な物語は、本来、そういう土壌だからこそ生まれた、ある意味、当然の帰結だったのかもしれません。

コインの裏表だったのでしょう。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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