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#ネタバレ 映画「沈黙の艦隊」

「沈黙の艦隊」
2023年製作 113分
2023.10.5

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )


時代の空気を描いた作品として、そして、国会でも話題になるほどのリアルとして、観て損は無い作品

映画「空母いぶき」が大変面白かったので、映画「沈黙の艦隊」にも関心がありましたが、ある議員の先生も関心を持っておられると知り、それも後押しになり、観てきました。後でウィキペディアを見ると、漫画連載当時には、(当時)防衛庁や国会でも話題になったようで、これは問題作と言っても良いのではないでしょうか。

実際に観た感想は、この手の作品では渋い仕上がりになっています。戦記物というよりミステリーと言った方が、私にはしっくりきました。なぜ事件が起こったか、犯人の目的は、という謎解きです。そして、目的を知り、「あっ・・・」と驚くのです。

(実像は世界を二分する「世界大戦の代理戦争」なのかもしれませんが)ウクライナとロシアが戦争をしていますし、日本周辺でもきな臭さがあります。そんな時代の空気を描いた作品として、そして、国会でも話題になるほどのリアルとして、観て損は無い作品だと思います。

追記 2023.10.5 ( 映画「眼下の敵」 )

やはり、傑作映画「眼下の敵」を連想

妻の敵討ち的なお話が、部下の敵討ち的な話になっていますし。

追記Ⅱ 2023.10.5 

軍事においても、「防衛省の常識は国民の非常識」があるはず

「永田町の常識は国民の非常識」という言葉があるようですが、「公務員の常識も住民の非常識」だと思います。例えば公務員は「全体の奉仕者」ですが、住民は自分の利益を求めますから、無意識に、公務員には「一部の奉仕者」であることを求めるのです。その不一致のために、今日も役所の窓口でトラブルがおこります。ここに宿命と言っても良い部分があります。

ならば、軍事においても、「防衛省の常識は国民の非常識」があるはずで、防衛オタクでもない私のように、その防衛省の常識を知らなければ、この映画「沈黙の艦隊」を本当に理解できないのかもしれません。

追記Ⅲ 2023.10.5 ( 「越後屋、おぬしも悪よのう」「いえいえお代官様ほどでは」 )

北朝鮮が核武装し、韓国と統一したら、韓国も核武装国になるから、今回の「やまと」の話を連想

( ネタバレです。)

タヌキおやじという言葉がありますが、総理はどこまで知っていたのでしょう。

一見頼りなさそうな風体を演出するために、(失礼ながら)笹野高史さんが選ばれたように思います。そして、実際、そのようなお芝居をしています。
しかし、彼はフリスクのようなものを常用しています。これは往年のアニメ「エイトマン」が冷却用の特殊タバコを常用していたのと似ていますね。つまり、冷却が必要なほどのハイスペックの記号でしょう。

( ちなみに、「やまと」を追いかける二等海佐・深町洋はアイスキャンデーをかじります。そして、「やまと」で反乱を起こした海江田はモーツァルトが好きで、ぶっとんでいる海江田だけ、モーツァルトという天才の記号を与えられているようです。冷却材の人は、努力の人・秀才でしょうか。)

総理は、『アメリカ海軍第7艦隊所属となった日本初の原潜「シーバット」』の一件は知っています。国民は知りませんが。しかし、「シーバット」はその後反乱を起こし、独立戦闘国家「やまと」を名乗り、「日本と同盟を求めたい」と告白するのです。そうすれば事実上、核搭載の原潜「シーバット」は日本に所属する事になりそうです。

時を同じくして、タヌキな日本の総理は、「自衛隊を防衛出動させたい」と言い、「そんな事をしたら日米が戦争になる」と言う側近に、「(涼しい顔で)私は『やまと』が何を考えているのか知りたいんだ」と答えます。

映画はここで終わります。

総理が秀才なら、ぶっとんだ天才の先まで読んでいるとは思えません。だから、総理は反乱の件までは知らなかったのでしょう。日米同盟を破壊してまで原潜を盗もうとは思わないでしょうし。

しかし、なりゆきでここまで来たら、日米関係、そして独立戦闘国家「やまと」との関係を加味して、どのような決着を総理は求めるのでしょうか。本音では、出来れば「やまと」が欲しいはず。しかし、米国は黙っていないでしょう。この判断には、防衛省の常識が必要な気がします。だから、私には自信がありません。

ちなみに、北朝鮮が核武装し、韓国と統一したら、韓国も核武装国になりますから、今回の「やまと」の話を連想します。

(参考)

『 海江田以下「やまなみ」乗員は生存していた。実は、彼らは日米共謀により極秘に建造された日本初の原子力潜水艦「シーバット」の乗員に選ばれており、事故は彼らを日本初の原潜に乗務させるための偽装工作だったのである。

アメリカ海軍第7艦隊所属となった日本初の原潜「シーバット」は、海江田の指揮のもと高知県足摺岬沖での試験航海に臨む。』

(ウィキペディアの「あらすじ」より抜粋)

追記Ⅳ 2023.10.5 ( 映画「眼下の敵」② )

「原作漫画と、それをモチーフにした映画は、パラレルワールドのように別もの」だと思っているから、ここは自由に発想してみたい

もし、映画「眼下の敵」へのオマージュで、「眼下の敵」のように、「人と人との友情が出来上がっていく様を、戦争で描いていた」のだとしたら、「やまと」は日本と同盟関係を結び、日本と米国の同盟関係も継続する結末になるのでしょうか。

追記Ⅴ 2023.10.5 

「ジャングル大帝」は漫画でこそ生きる

①原潜「シーバット」は、その後反乱を起こし、独立戦闘国家「やまと」を名乗り、「日本と同盟を求めたい」と告白。

時を同じくして、日本の総理は、「自衛隊を防衛出動させたい」と言い、「そんな事をしたら日米が戦争になる」と言う側近に、「(涼しい顔で)私は『やまと』が何を考えているのか知りたいんだ」と答える。

映画はここで終わります。

私が寝ていたのでなければ、映画では「国連改革」のような話は出て来ません。ですから、以下は、映画とはパラレルワールド(別物)である漫画についての話です。

②しかし、漫画ではさらに続き、「政軍分離」「やまと保険」「沈黙の艦隊計画」「世界政府の設立」が海江田によって国連で語られるようです。

①戦争から②政治の話になっていくのです。

①のような極秘の原潜製造と反乱は、もしかしたら、ぎりぎり可能かもしれません。ぎりぎり、実写に耐えうるリアリティがある、とも言えそうです。

しかし、②のような政治はどうでしょうか。

マイナカードでさえ混乱を招きました。ならば、年金改革などは、さらに困難です。だとしたら、②のような政治改革を、それも世界中が行うという話は、それこそ漫画の世界に入って行きそうな難しいレベルです。①のように秘密裏に行える事ではありません。世論もあります。それを実写で描けば、限度を超えた違和感を感じかねません。

ですから、今回の映画が、②にふれていないのは、そのせいもある、ような気がします。

追記Ⅵ 2023.10.6 ( 国連改革 )

ロシアがウクライナに侵略戦争をしかけているのに、国連はそれを止められません。その理由の一つは、ロシア等が常任理事国であるからでしょう。何らかの国連改革の必要性は、世界の大勢の気持ちだと思います。しかし、漫画にある海江田の提案よりも(映画にはない)、もっと現実的な方法がありそうに思います。

追記Ⅶ 2023.10.5 

日本も原潜を持って良いのでは

合法的な原発と、ディーゼル潜水艦がある日本なら、原潜を持っても良いのではないでしょうか。

持てない理由は知りませんが、もし広島・長崎からの核アレルギーのために原潜が持てないのなら、問題だと思います。

そうこうしている内に、ロシアがSFのような原子力推進型巡航ミサイルの実験に成功したようです。日本は周回遅れになっていないでしょうか。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)



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