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#ネタバレ 映画「5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~」

「5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~」
2017年作品
嘘八百な・・・
2018/1/13 18:04 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

ほぼ全盲の人が、健常者と偽って入社してくるような事態は、今の日本ではちょっと考えられませんが、在職中に眼を患い、少しずつ視力が低下し、いつ言おうか、いつ退職しようかと悩んでいる人は、案外いそうな気がします。

詳しいことは書けませんが、若い頃に私の職場にも・・・。同僚たちは、気の毒な気持ちでいっぱいで、黙ってその人のフォローはしても、陰口を叩く者はいなかったと思います。

この映画、爽やかに演じていますが、映画「解夏」(げげ )を観ても分かる通り、目が見えなくなるということは、本人にとっては、時に「生き死に」をも考える一大事であり、この上、仕事でも戦うというのは想像を絶する苦行だと思います。

どこか遠くに、映画「愛と青春の旅だち」が見えるような気がしました。チラシを見てください。共演のマックス(ヤコブ・マッツェンツ)も、少しリチャード・ギアに似ていますしね。

★★★★☆

追記 ( 映画館の音も試される ) 
2018/1/14 10:26 by さくらんぼ

主人公・サリーがワイングラスを磨いている写真があります。バーテンダーの研修ですね。

しかし、教官は「水垢が残っている」として、何回でも洗浄・磨き直しを命じるのです。でも、そんな簡単なことが、サリーには、夜も遅くなり、クタクタになっても出来ません。視力の弱いサリーには「わずかな水垢」までは見えないからですね。

でも、(当然ながら)教官はそれを知らず、サリーは「やる気なし」の烙印を押され、首になりそうな状況になるのです。

そんな中、サリーが見出した解決方法とは「音」でした。ワインを入れたグラスの音、飲みほした直後のグラスの音、水分を拭った後の音、全部違うからです。私の観た映画館の音響システムでは、音の違いが鮮明に聴こえました(私には視覚、聴覚、触覚でも)。

オーディオにおいても、スピーカーボックスで、木肌のままの物と、塗装したものとは、音が違うのは常識ですから、ワイングラスの件も納得できます。

しかし、濡れているワイングラスが分かっても、洗浄・乾燥して、「わずかな水垢」が付いているだけのものが、はたして、本当に音で判別できるものなのか。実験したことの無い私には驚異の世界です。

追記Ⅱ ( パラリンピック ) 
2018/1/15 9:35 by さくらんぼ

日本人にとって、前回のパラリンピックは、「障害者スポーツ」への、「歴史的な括目の大会」だったと思います。そして東京大会で、人々はその全貌を目にするのです。

失礼でしたらお許しください。パラリンピックを見ていると、とても人間技とは思えないと感動します。人間が本気になれば、とてつもない能力を発揮する。その姿を目の当たりに出きるのが、パラリンピックでもあるのです。

健常者の就職活動も同じで、履歴書を見て「この人はこれぐらいの能力だ」と、会社の人事担当は判断するのでしょう。それは常識的な選択ですが、「最後に物を言いうのは、本人のやる気」ではないでしょうか。

この映画では、その事を移民・難民問題まで広げて語ります。祖国では外科医の資格を持っていたのに、移民・難民になったために、書類手続きの煩雑から、皿洗いの仕事しかやらせてもらいない男が出てきました。主人公は彼の手続きを手伝い、めでたく救急医になるのです。

この映画を観ると、「パラリンピック」がより楽しみになります。

追記Ⅲ ( 恋愛のやる気 ) 
2018/1/15 18:01 by さくらんぼ

「 先天性の病気で95パーセントの視覚を失った青年サリー。5ツ星ホテルで働く夢を叶えるため弱視を隠して一流ホテルの見習いを始める。持ち前の明るさと機転で課題を次々にクリアするサリーだったが、ある女性との出会いが完璧な偽装計画に綻びを生じさせていく。 」 ( 「ぴあ映画生活」あらすじより。 )

ある女性とは、職場で知り合った恋人です。

初めてのデート。

レストランで二人話していると、モデルさんのような美女3人が入ってきます。店中の視線を一気に集める3人。しかしサリーは、3人が目の前を通過したのにもかかわらず、(まったく見えないがごとく)視線も動かず、恋人との話に夢中なのです。

それに感激した恋人は、幼稚園児ぐらいの息子と3人のデートに誘います。実は彼女、子持ちだったのです。

デートは公園でした。

芝生で仮眠する恋人。子供と遊ぶサリー。

しかし、ふとしたことで、子どもは行方不明になってしまい、それで「目が見えない事」がバレてしまいます。

「目が見えないのに、子守するなんて、無責任だ」となじって去って行く恋人。彼女にしてみれば、レストランの事も「自分の勘違いだ」と分かり、腹立たしさが倍増したのでしょう。

しかし、この一件は、後日子どものフォローで一件落着するのです。子どもは母に言いました。「僕だって、ママに気にいられたいときは、嘘もつくよ」って。

つまり、ここでも「恋愛のやる気」が描かれていました。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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