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#ネタバレ 映画「ウォルター少年と、夏の休日」

「ウォルター少年と、夏の休日」
2003年作品
アラビアン・ナイト
2004/7/18 18:06 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

この映画も何かの例え話の様な気がする。

解らないこともあるので、見当違いの解釈になるかもしれないけれど、この様に感じられた。

セールスマンがやってくると、玄関の前でガンを片手に待ち構えていた二人が問答無用にぶっ放す。なんとも物騒なシーンである。言葉による話し合いも何もない。

この映画は「取ろうとする者と、守ろうとする者」が描かれている。

セールスマンはもちろん立派な職業であり善人であるが、映画では一応「取ろうとする者」たちにのシンボル的な存在として描かれているようだ。

そのほか主役のウォルター少年も、老人たちの金の在り処をスパイする目的もあって母親から送り込まれた。母親は男を獲得するために旅に出て後、獲得した男と共にウォルター少年の所に、金の在り処を聞き出そうと戻ってくる。まさに油断も隙もない状況である。

一方、老人たちは「守ろうとする者」たちである。彼らは武力を拠り所にして生命と財産を守る。ただし後のケアをしっかりする。そうすると老人たちによって排除された「取ろうとする者」たちの何人かは、老人たちを「敵ながらアッパレ!」と尊敬するようになるのである。

老人たちとは、実は古いアメリカの暗喩、あるいは無骨なアメリカ軍そのものではないだろうか。

この映画は、昔アメリカが軍事力を背景にして世界で活躍し、その結果アメリカ・ファンを増やしていった事を懐かしむ心情が陰で語られているのではないだろうか。その戦いはアメリカにとっては当然侵略などではなく「守るための戦い」だとされている事だろう。

ひるがえって現在のアメリカの戦いは泥沼化の様相を見せており、敵は容易にアメリカを尊敬してくれそうもない。それで過去を懐かしむ。尊敬を勝ち取った過去のライオンたちにアメリカ自身が一目置くのである。

アラビアン・ナイトの様な物語が出てくる。その世界で戦ったライオンたちは敵から尊敬を受けた。その物語にイラクなどがダブって見える。イラクでも尊敬を勝ち取りたい。「みんな疑わないで欲しい、アメリカを信じて欲しい」そんな切なる願いが聞こえてきそうなラストであった。

追記 (「アラビアン・ナイト」の裏には...)
2004/8/2 18:54 by 未登録ユーザさくらんぼ

この映画は、観る前はもっとシリアスな文芸調の作品かと思っていましたが、実際観てみるとそうではありませんでした。

例えは適当では無いかもしれませんが、木製の「積み木」を布袋に一杯詰め込んだような質感を感じたのです。つまり外側を撫でるとゴツゴツして、中に何かが詰まっている事が、手触りからも分かるという感覚です。

それぐらい、この映画からは「何かの例え話だよ」という匂いがしました。

しかし問題はここからで、はたして何の例え話か・・・正直なところ私には消化不良の点も多々有ります。そこら辺りが自身の無さそうな書き出しに表れています。

どなたかのレビューからふと連想したのですが、もしかしたら、この作品は「アメリカ版ラスト・サムライ」だったのでしょうか。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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