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東洋医学メモ

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東洋医学について分かりやすくまとめています(つもりです)質問あったら連絡していただけると本当にありがたいです。よろしくお願いします!!
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記事一覧

東洋医学における七情について

概要七情とは、東洋医学において「怒、喜、思、憂、悲、恐、驚」の7つの感情を指します。これらの感情は、通常は心身の健康を促進する役割を果たしますが、過剰に表出したり、長期間持続したりすると、体内のバランスを崩し、五臓に悪影響を及ぼすことがあります。特に、感情の変化は五臓の機能に直接的な影響を与え、健康状態を左右する重要な要素とされています。 七情はそれぞれ特定の五臓に関連しており、感情が過剰になると、肝、心、脾、肺、腎にさまざまな症状を引き起こします。例えば、怒りが過度になる

東洋医学における六淫について

概要 六淫は、東洋医学における重要な病因の一つであり、風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の六つの要素から成り立っています。これらの要素は、外部からの邪気として人体に影響を与え、特に風邪はその動きの速さと変化のしやすさから、他の邪気と結びつきやすく、様々な症状を引き起こすことが知られています。 これらの六つの要素は、気候や環境の変化により人体に影響を与え、健康を損なう可能性があります。特に、季節の変わり目には風邪や寒邪が多く見られ、これらは体調不良を引き起こす要因となります

気の概念と病態

序論東洋医学において、「気」の概念は中心的な理論であり、生命、存在、そしてあらゆる現象に深く関わっています。「気」は人体の機能と病理状態に密接に関連しており、特に消化器系と肺から形成されると考えられています。消化器や肺の「気」の異常は、エネルギー不足や循環障害を引き起こし、様々な身体症状や病態を引き起こすと理解されています。 古代中国における「気」の起源古代中国の思想世界において、「気」は万物を根源的に構成する重要な概念でした。「気」は、自然現象、生物、宇宙に至るまでのあ

東洋医学における宗気について

概要宗気は、東洋医学において非常に重要なエネルギーであり、主に呼吸や血液循環に関与しています。このエネルギーは、肺から吸入される清気と、脾胃が運化する水穀の気が結合することによって生成され、胸中に集まります。宗気は、身体のさまざまな機能を支える基盤となり、生命活動を円滑に進めるために不可欠な存在です。 宗気の強弱は、呼吸の質や声の強さに直接的な影響を与えます。具体的には、宗気が豊富であれば、呼吸は深く、声も力強くなります。逆に、宗気が不足すると、呼吸が浅くなり、声もかすれや

東洋医学における営気について

概要 営気は東洋医学において、人体の健康維持において極めて重要な役割を果たします。これは、脾胃で生成される水穀の精微から化生したものであり、特に栄養分が豊富な気とされています。営気は血液と密接に関連し、血脈中を流れることで全身に栄養を供給します。このように、営気は単なるエネルギーの供給源ではなく、身体の機能を支える基盤となる重要な要素です。 営気は血脈中に分布し、血液の一部として全身を巡ります。この循環により、営気は細胞に必要な栄養を供給し、身体の機能を正常に保つ役割を果

東洋医学における衛気について

概要衛気(えき)は、東洋医学において非常に重要な概念であり、体表を保護する役割を果たします。具体的には、皮膚や粘膜に存在し、外部からの邪気や病原体の侵入を防ぐ防衛機能を持っています。この衛気は、体の表面に目に見えないバリアを形成し、健康を維持するための第一線の防御となります。 衛気は、免疫力と密接に関連しており、身体を外的刺激から守る重要なバリアとして機能します。具体的には、衛気が充実していると、体はウイルスや細菌に対して強い抵抗力を持ち、病気にかかりにくくなります。これ

東洋医学における「肝は血を蔵し、腎は精を蔵す」

概要東洋医学において、肝は「血を蔵す」という重要な役割を担っています。肝は血液を貯蔵し、必要に応じて全身に供給することで、身体の健康を維持します。特に、休息時には血液が肝に集まり、活動時にはそれが全身に循環する仕組みが整っています。このように、肝の機能は血液の調整だけでなく、精神的な安定にも寄与しており、感情やストレスの管理にも深く関わっています。 一方、腎は「精を蔵す」という役割を果たし、生命力の源として重要です。腎は精気を貯蔵し、成長や生殖に関与するだけでなく、水分代

東洋医学における「脾は統血・運化を主り、気血生化の源である」について

概要脾は東洋医学において、消化吸収やエネルギー生成において重要な役割を果たす臓器です。具体的には、脾は食べ物から得た栄養を消化し、体内に必要な「気」や「血」を生成します。このプロセスは「運化」と呼ばれ、脾の機能が正常であれば、体全体にエネルギーが行き渡り、健康を維持する基盤となります。 脾は血液の管理と栄養の運搬を通じて、全身の健康を支える基盤となります。脾の統血作用は、血液が経脈中を循環するように導き、血が脈外に溢れ出るのを防ぐ重要な機能です。脾気が旺盛であれば、血液の

東洋医学における「肝は血を蔵し、疏泄を主る」について

概要東洋医学における「肝」は、単なる臓器としての肝臓を超えた広範な概念を持ち、体内の気や血液の流れを調整する重要な役割を担っています。肝は自律神経や情緒の調整にも関与し、ストレスや感情の変動が肝の機能に影響を与えることが知られています。これにより、肝は身体全体の調和を保つための中心的な役割を果たしています。 肝は「血を蔵し、疏泄を主る」という二つの主要な機能を持ち、これが全身の調和に寄与しています。具体的には、肝は血液を貯蔵し、必要に応じて体内に供給することで、身体の各部位

東洋医学における「脾は後天の本であり、腎は先天の本である」について

概要東洋医学において、脾と腎は生命力と健康の基盤を形成する重要な臓器です。脾は「後天の本」として、私たちが生まれてからの生活や食事を通じて得られるエネルギーを補充し、体の機能を支えます。一方、腎は「先天の本」として、遺伝的に受け継いだ生命力の源であり、成長や生殖に深く関与しています。これら二つの臓器は、互いに補完し合いながら、私たちの健康を維持する役割を果たしています。 脾は消化吸収を通じて、後天の気を生成する重要な役割を担っています。具体的には、食べ物を消化し、そこから

東洋医学における「肺は呼吸を主り、腎は納気を主る」について

概要東洋医学において、呼吸は生命活動の根幹を成す重要な機能とされています。呼吸は大気中の清気を吸い込み、体内の濁気を吐き出すプロセスであり、これにより体内のエネルギーの循環が保たれます。具体的には、吸気は腎の納気作用によって支えられ、呼気は肺の粛降作用によって行われます。この二つの作用が協力し合うことで、呼吸は円滑に行われるのです。 肺と腎の関係は、呼吸のメカニズムにおいて非常に重要です。肺は主に呼気を担当し、腎は吸気を主ります。腎の納気作用は、先天の気、すなわち腎精によっ

東洋医学における「肺は気を主り、脾は気血生化の源である」について

概要東洋医学において、肺と脾はそれぞれ異なるが相互に補完し合う重要な役割を果たしています。肺は呼吸を通じて体内に酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素を排出する機能を持ちます。この過程で、肺は「気」を主る臓器として、生命エネルギーの流れを維持します。一方、脾は食物を消化吸収し、そこから得た栄養を基に「気血」を生成する「気血生化の源」としての役割を担っています。これにより、脾は体のエネルギーと栄養の基盤を形成します。 肺と脾の関係は、相互依存的なものであり、脾が正常に機能すること

東洋医学における「肺は粛降を主り、肝は昇発を主る」について

概要東洋医学において、肺と肝は五臓の中でも特に重要な役割を担っています。肺は「治節」を主り、全身の気の流れを調整することで、身体の健康を維持します。具体的には、肺は呼吸を通じて外部から清気を取り入れ、体内の気血津液の運行を管理します。この機能が正常に働くことで、身体全体の代謝や血行が円滑に行われ、健康が保たれるのです。 肺の粛降作用は、体内の気を下方へと導く重要な機能です。この作用により、栄養物質が各臓器に分配され、身体全体が潤い、温められます。一方、肝は昇発機能を持ち、気を

東洋医学における「心は血を主り、腎は精を蔵する」について

概要東洋医学において「心は血を主り」とは、心が血液の循環を司る重要な役割を果たすことを意味します。心は血液を全身に送り出し、各臓器や組織に栄養を供給するポンプのような機能を持っています。この循環は、身体の温度を保ち、精神的な安定をもたらすために不可欠です。心の健康が損なわれると、血液の流れが滞り、様々な身体的・精神的な不調を引き起こす可能性があります。 一方、腎は「精を蔵する」役割を担っています。腎精は生命エネルギーの源であり、成長や生殖に深く関与しています。腎が健康であれ