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マッチングアプリ見聞録①

マッチングアプリを初めてみた。
周りに使っている人が多く、実際に付き合った話、果てはゴールインした話まで聞いたからだ。
特に、大学のゼミ同期がアプリで人生初の彼女を見つけたと聞いた時には驚いた。失礼極まりない話だが、彼の気難しく独特な性格ゆえに彼女はできそうもないというのが、皆の結論だったからだ。

アプリを使えば、幅広く自分と合う性格の人を探すことができるはず…。そう確信し、僕はアプリのインストールボタンを押した。
そして、現実はそう甘くなかった。

浮き彫りになった「弱さ」

自分なりにプロフィールを埋めてスタートを切ったものの、初めの数日は相手からの「いいね」どころか、自分のプロフィールへのアクセス履歴すらつかない。
「自己表現」の弱さだった。

今までの人生において、僕は人から笑われることをひどく嫌ってきた。その結果、自分から他者に自分の性格を伝えたり、趣味の話をするという経験がほとんど無い。
アプリで人気とカテゴリーされる上流階級は、読み切るのが難しい程の性格や趣味を書き連ね、それに関連する楽しそうな写真を上げている。
寂しい僕のプロフィール欄は、どれだけ肯定的に捉えても「見やすい」以外の長所が無く、見向きもされるはずも無かった。

もう一つ、「いいね」を送る回数が少ないというデータがアプリから突き出された。課金していなくても、自動的にいろんなアドバイスが貰えるのだからテクノロジーはすごい。
いいねができない理由は、粗探しである。

例えば「返信遅めです」という宣言がよく書いてあるのだが、僕は「返事を早くする努力をしろよ」と気持ち悪がってしまう。「ディズニーランドが好きです」とカチューシャをつけた写真を載せていたなら、「テーマパークに行くことが普通だと思うなよ」と難癖をつける…
いいねは自分のためにするものなのに、いつの間にか自らの首を絞めている。他人を否定することで自分の価値を保っていた青春時代の負の遺産である。
「自分に集中できていない」という弱さである。

諦めない

今までなら、スッパリ辞めて「俺にはこんなもの必要ない」と自己防衛要塞に閉じこもっていたところだ。
しかし僕はその要塞を壊してしまおう。

自己を恐れずに表現し、人懐っこくいいねをしていこう。
だってすべては自分のためなのだから。

他人に難癖をつけ続けた結果、身動きを取れなくなった25歳。
ゆっくりとしかし着実に歩を進めていこう。

そんな私は昨日から有料プラン会員である。

2024/6/23
続く


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