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犬フィギュア

 フィギュアの制作過程も楽しかったのでまとめていきます。

苦手だったグラデーションも、今回はかわいく出来ました

概要

 私は犬が好きです。猫も好きですが、マズルが長くて肩ががっしりしていて腰がグッとくびれた犬を見るとメロメロになってしまいます。
 というわけで今回は擬犬化っていいよねという話からさせてもらいたいと思います。

 擬犬化とは、人間やキャラクターを犬に変換した創作の事を言います。キャラクターの特徴を犬の毛並みや犬種に当てはめたりするわけですね。ヒュウ~~~~~~!!!

 キャラの特徴を模様や装飾品にしたり、性格を体格に反映するなど、描く人によって色々な解釈があるので新しい発見があって楽しいです。
 擬犬化、擬猫化、擬鳥化、擬獣化、本当に最高ですね。大好き。

撮影:浅瀬あき さん

 そんなこんなでジャンケットバンクの犬化二次創作のフィギュアを作らせていただきました。最高に好み過ぎてかわい過ぎる元デザインは浅瀬あきさん(@asase_info)の制作です。

 かわいいねェ💕

経緯

 今年の4月、こちらの本の脱稿直前にデジタルスカルプトアプリのNomad Sculptにハマりました。その後2ヶ月経った頃、ジャンケットバンクにハマりました。

 ハマった勢いでいそいそ浅瀬さんに落書きをお送りしたところ、ありがたいことに浅瀬さんから犬化の御本を含めた新刊とハム(ハム?!)を送っていただけることになり、何かお返しがしたいなと思って作り始めました。

 お返しとは言いましたが、ずっと前から浅瀬さんの犬化(猫化)が大好きだったので立体にしてみたかったというのが一番大きな理由です。

 神経質だけどお坊ちゃん育ちで末っ子な村雨さんを、原作の髪の毛の感じも取り入れながらフワフワでモフモフなボーダーコリーで表現するのとか!(画像2段目中央)

 獅子神さんの右前髪が垂れている感じを折れ耳で表現しているのとか!(画像2段目左から2匹目)

 いやホント…何度見ても良いな…

製作過程

データ制作

 まずは浅瀬さんのイラストを見ながら、全体のイメージをラフで描いてみます。

アナログの方が構想を練りやすいので、漫画もイラストも
ラフはシャーペンで描き始めることが多いです

 ラフを下敷きにNomad Sculptで素体を作っていきます。

 モデリングの際は主にこちら↓の動画を参考にさせていただきました。

 デジタルでスカルプトする時はアナログで粘土をこねる感覚とは違い、幾何学的な図形を組み合わせて大きなアタリをとる感覚で組み合わせていくといい感じに素体が作れます。

図形を組み合わせて素体を作ります。

 素体が作れたら、少しずつ図形を結合していきながら細部を作り込んでいきます。

統合していくと段々それっぽくなっていきます

 せっかく2体同時に作るので、体格とかの差もこだわりたいな~と思ったので、2体並べて作っています。

姿勢が良さそうな手の置き方や
筋肉がついていそうな肩のハリなど

 ある程度作り込み終わったら膨張色や収縮色等で見え方が変わるため、色を塗って全体のバランスを見ていきます。

完成品では統一感を重視してインナーカラーは省きました

 あとはエアブラシで色を塗りやすいように分割したり統合したりしてデータ完成です。
 釣り目と垂れ目の差を立体で表現するのが難しかったですが、最終的にはめちゃくちゃかわいく出来上がりました!

出力

 今回使用した使った3DプリンターはANYCUBICのPhoton Mono 2です。
 Twitterでフォローしてる方がこれの大きなやつを使っていたので、多分いい感じなんだろうなと思って買いました。初めての3Dプリンターだったので他に比較対象は無いのですが、いい感じでした。

 まずはNomad Sculpt上でオブジェクトを「結合」→「リメッシュ」してオブジェクトを統合してからOBJファイルかSTLファイルで書き出します。これをやっておかないと出力したモデルの中に未硬化レジンが残ってしまいます。

×:左はオブジェクトが統合されていないため
空洞部分が複数箇所できてしまい
そこに未硬化レジンが閉じ込められる

 未硬化レジンがフィギュアの中に閉じ込められていると、該当箇所が脆くなります。脆くなった場所から割れてしまい、中の未硬化レジンが漏れ出てしまいます。
未硬化のレジンを触ってしまうとレジンアレルギーになり、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるため、漏れ出てきた場合は素手で触らないようにしましょう。

試作品は尻尾の中に未硬化レジンが溜まっていたため、劣化して折れてしまいました

 未硬化レジンによって劣化している箇所は上記の写真のように周りが白くなることがあります。こういった箇所がある場合は念のためドリルで穴を開けて中を確認した方が良いかと思います。

 話は戻って、書き出したファイルを3Dプリンターで出力するため、CHITUBOXというパソコン用ソフトで3Dプリント用のデータを作ります。

土台にいい感じに並べます

 レジンアレルギーにならないよう、手袋やマスクなどで体を防護して制作していきます。
 出力には時間がかかるため、できるだけ休日に進めます。

出力中…(4~6時間)

 洗浄と二次硬化を済ませたら、未硬化レジンを排出するために開けていた穴をエポパテで塞ぎます。足の裏の穴は人目につかないのでそのままにしておきます。

エポパテ、初めて使ったんですが固まるのが早かったし、
めちゃくちゃ丈夫でびっくりしました

 乾燥させている間にジャンケットバンクを買いに行きます。

15巻の特典のプリクラ
クソデカ全方位マヌケ、とても良い

組み立てて、出力は終わりです。

出来ました✌

色塗り

 色を塗る前にまずはサーフェイサーとやすりで下地を整えます。3Dプリンターで出力すると、表面に積層痕という縞々の模様が出てしまいます。

お分かりいただけるだろうか…

積層痕を隠しつつ、塗料の食いつき、発色が良くなるようにサーフェイサーを吹いていきます。

現代アートの生け花

 王冠の金の下には黒を敷くと発色が良くなると聞いたので、試してみました。(結果、めちゃくちゃ好評でした✨)

王冠、足りてるか?

 それからまあなんやかんやアレして…(写真撮り忘れました)

 完成です!

(撮影:浅瀬あき さん)
首も回ります。(撮影:浅瀬あき さん)

 我ながらめちゃくちゃ良い感じに作れたんじゃないかと思います✌️

オマケ

 本当はサプライズで犬のフィギュアをお渡ししようかなと思っていたのですが急に立体物を送り付けられたら困る人もいるかなと思い、立体化の許可を頂きました。ご快諾下さって本当に感謝です!

 許可を頂く際、浅瀬さんご自身も以前blender(パソコンの立体制作ソフト)でスノードームのイラストを立体化しようとしてやめちゃったんですよね…と仰られていたので

いそ…
いそ…
いそ…
いそ…
いそ…(撮影:浅瀬あき さん)

 犬フィギュアの出力や乾燥待ちの間にまた勝手にいそいそ作っていました。元絵がとんでもなくかわいかったから…

終わりに

 突然の「犬の立体を送りたいんですけど…」という訳の分からん申し出を受けて下さった浅瀬さん、本当にありがとうございました。

浅瀬さんからでっけえ美味しいハムと
めちゃくちゃかわいい犬Tシャツと
めちゃくちゃお洒落なお菓子も頂きました!

 あこがれの浅瀬さんの大好きなイラストを立体化出来て、とってもとっても楽しかったです!


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