リナ、六十分、一万二千円
その夜オレは泥酔していた。確か、外で飲んで帰って、そのまま部屋でさらに飲みながら寝てしまって、深夜二時を過ぎた頃に岡里からの電話で目が覚めた。岡里は大学の頃の友人で、当時、家が近かったこともあって、よく連絡を取っていた。その電話は、本当に大したことの無い用事で、まだ起きてる? ガムテープ借りれない? とか、USBメモリちょっと使いたいんだけどなんか余ってない? とか、そんなような用事だった。とにかく、何の用事だったかは覚えていないが、電話がかかってきて、それでオレは目が覚め