見出し画像

滑剤オイルと精油の注意すべき点について

今回はオイルについてご紹介しようと思います。

マッサージにおいて、滑りを良くするオイルは滑剤と呼ばれます。

オイルの他にもクリームやパウダーなどありますが、オイルが最も一般的だと思います。

オイルには時間がたつと多かれ少なかれ酸化します。タオルについたオイルが酸化すると異臭を放つため、マッサージではできるだけ酸化しにくいオイルを使用します。

また夏場などは肌に浸透したオイルが太陽光で劣化したり急速に酸化するため、質の悪いオイルや、紫外線に弱いオイルは肌のトラブルにもつながります。
(シャワーを浴びていてもオイルは肌に吸収され肌内に何%かは留まります)

◎ 酸化しにくいオイル

ココナッツオイル、オリーブオイル、アルガンオイル、マカダミアナッツオイル、ライスブランオイル、ホホバオイル、ベビーオイル等

◎ 酸化しやすいオイル

スィートアーモンドオイル、グレープシードオイル、馬油、亜麻仁油等


THIRD WAVE では、ライスブランオイルを推奨していますが、さらに酸化に強いのは、ホホバオイルやアルガンオイルです。

マカダミ屋 ライスブランオイル1000ml (ポンプ付)(米油 米ぬか油 ライスオイル)マッサージオイル キャリアオイル (フェイス/ボディ用) 業務用・大容量 https://amzn.asia/d/f6ozHKJ

ライスブランオイルは開封から2ヶ月、ホホバオイルやアルガンオイルは半年が使用期限の目安です。ベビーオイルは石油由来のミネラルオイルで、酢酸トコフェロールという酸化安定剤が入っているため、基本的に長期間酸化はしません。

◎ 酸化を抑える保管のポイント

遮蔽できる容器で保管する
冷暗所で保管する
※ 15~25℃の常温よりも温度が低く一定で、直射日光が当たらない場所
※ ココナッツオイルは25℃以下だと固形化してしまうので26℃以上必要です。


また、滑剤のオイルに、精油をブレンドすることで香りをつけることができますが、精油の中には光毒性のあるものがあるため要注意です。

光毒性のある精油を肌につけたまま太陽を浴びるとシミ等になります。(こちらもシャワーを浴びても肌の中にしばらく留まります)

※ 光毒性とは、(精油などの)光感作物質を肌につけた状態で日光に当たることで、「色素沈着(シミ)」や「炎症」などの皮膚トラブルが起こること。 精油に含まれるベルガプテンと呼ばれる成分が紫外線に反応することで起こります。 光毒性作用をもつ代表的なものは以下です。

・グレープフルーツ精油
・ネロリ精油
・ベルガモット精油
・柚子精油
・ライム精油
・レモン精油
・アンジェリカルート精油
・オレンジビター精油

上記のように主に柑橘系に含まれています。中でもベルガモットは最も強力で、次いでグレープフルーツもかなり強力です。

夏場には上記の精油は基本的に使わない方が良いでしょう。特にベルガモットは絶対にNGです。(高級なベルガモット精油にはベルガプテンフリーと言う、光毒性を低減させた精油もあることはあります)


よく誤解されますが、オレンジスィート精油、マンダリン精油、レモングラス精油にはベルガプテンは含まれないため、基本的には問題ありません。


オイルに精油を混ぜる濃度

精油は芳香成分が高濃度で凝縮しているため、肌に塗布する場合は「キャリアオイル」で希釈する必要があります。

一般的に安全な希釈率といわれるのは、0.5%~2.0%程度(ベルガモットのみ0.4%以下)となります。

精油1滴は0.05mlなので、

100mlのオイルに対して、精油は10滴〜MAX40滴まで(ベルガモットのみ8滴以下)ということになります。

お客様の肌の強さなどに合わせて希釈率は規定の範囲内で増減すると良いと思います。100ミリリットルに対して20滴程度にしておくと、比較的幅広いお客様に安全に使用できると思います。


AEAJでは、ボディ(顔は除く)に使用する精油の希釈濃度は、キャリアオイルに対して1%以下を推奨しています。1%以下という希釈濃度で、実際に皮膚刺激が起きないかどうかを確認した研究データをご紹介します。

実験では、アロマテラピートリートメントでよく使用される精油から10種類を選択し、グレープシードオイルをキャリアオイルとして、1%・3%・5%に希釈。河合法で、皮膚刺激性を評価しました。その結果すべての精油において、1%の希釈濃度では準陰性となり、1%の希釈濃度は、安全性の観点から妥当であることが示唆されました。ただしAEAJでは、体調や皮膚の状態に応じて、さらに低濃度にするなど、希釈濃度を調整することを推奨しています。

引用
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/literature/new/vol15.php


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?