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文学フリマ東京の前日

すでに本は発送しているし、備品類も別段多く持ち込むわけでもなく慌てることはない。と思ってたら仕事が押してなんかてんやわんやな気持ちになってきた。持ち物大丈夫かな。

初めて文学フリマに参加したのは2021年の11月23日。出来立てほやほやの『日本現代うつわ論1』を携えて。この時はたまたま土日ではなく祝日開催だったので仕事のスケジュールも都合がつけられた。
時はコロナ真っ只中。ワクチンの接種をどうするか議論が分かれ、緊急事態宣言がいつ出るかも分からない、まん防での自粛要請も出たり引っ込んだりが続いていた。終わりの見えない不安が続くけれども、おっかなびっくりみんなが徐々に外に出始め、ウィズコロナとか言われ始めたのもこの頃だった気がする。

(余談だけれどもこの頃は白白庵のオンラインショップは絶好調だった。みんなまだ外出できないし、他に使うお金もなく、長時間を過ごす生活スペースをより良いものに変えたいとアートピースが求められていた。それこそ世界中からガンガン注文が入って、EMSでの発送も追いつかないくらいだった。ついに世界が白白庵に気づいたか、と一瞬思っていたけれども、ワクチンが行き渡ってみんなが国内外の移動が増えるとオンライン注文は激減した。無常。)

そんな不安定な状況で開催されたいた文学フリマ東京、その前の5月の時点で様子を覗いて「こんな状況下でも文章を通じて何かを表現すること、そしてその表現を求めている人がこんなにいるのか」と驚いて、感動した。
ずっと読書には親しんできたけれども、自分は「書く」ということを苦手と感じていたし、本を作ろうだなんて微塵にも考えたことはなかった。音楽はガンガンやっていたのに不思議なものだ。
だから2021年11月の文学フリマで『日本現代うつわ論1』を作って出展しようと決めた時はめちゃくちゃワクワクしたし、そんなことを発案してくれた大槻さんには感謝の念を抱くし、こんな本づくりの素人にご協力いただいた執筆陣、そして初めての本とは思えないくらい美しい仕上がりにしてくれたナツメミオさんのデザインは素晴らしい。
この活動を通じてクリエイティブに関する自分の関わり方やマインドセットは明らかに大きく変わった。詳しく書いていたら終わらないけれど、感情移入の深さが全く別物になったと思う。
本を作り、それを人に届け、文学フリマという場でそれをやりとりすることは自分にとっても素晴らしい経験だった。
残念ながら仕事の都合でそれ以来現場に行けなかったけれども・・・

何より、「ものを書く」という行為そのものを慈しみ、自分の愛する様々な物事を本にして共有すること、そしてそれを求める人が多く集まることは根本的に幸せなことだと思う。マスの情報が溢れる中で、自分が大切にしている物事を示し、共有できる場があることはこの世界において素晴らしいことだと思う。
ということで文学フリマ東京38、楽しみにいきます。
ゆめしか出版は第二展示場「つー13」です。
よろしくお願いします。


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