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一気に1ドル120円・MMT信者さん、少しは現実が見えて来ましたか?

今日はついに1ドル120円に乗せ、6年ぶりにあっさり120円の壁も突破された。

6年前と同じ、という人もいるがわかっていない。

6年前は、日本が異次元緩和という名の量的緩和拡大で自ら作り出した円安。

今回は、米国の中央銀行であるFRBがインフレに立ち向かうため金融政策正常化に向かうのに反し、同様の傾向にある日本においては金融政策自由度の低い日銀黒田総裁が現状維持とすることを明言したため、一気に円安が進行している。中央銀行総裁が白旗を揚げれば投機マネーは群がるに決まっている。

結局、通貨とは信用性比べ。いくら金利を高くしても信用のない通貨は暴落する(ロシア・ルーブルやトルコ・リラ)。日本は経済大国としての信用が高いため円の価値が維持され、同様の先進国グループでの比較(量的緩和≒通貨発行総量、金利)で中短期的な円高・円安に振れていた。

一般的に言われているのは、長期的傾向として日本企業の優位性の下落や現地生産の拡大と共に輸出立国としての地位が低下し、経常収支が赤字化していることと日米金利差の拡大。

しかし、より大局的には金融政策の自由度の違いが強く意識されたからだろう。

今回、FRBがインフレ抑制のために、金利を上げ(ゼロ金利政策からの力強い脱却)、既に停止していた量的緩和を停止を超えて縮小まで踏み込む姿勢が見えた。FRBバランスシートの縮小は通貨でもって構成される財産規模の縮小なのだから通貨発行量の縮小に繋がる。

一方では日銀はインフレが見えてもそれはコストプッシュインフレだから、というよくわからない言い訳をしているものの、結局目標だった2%に達しても金融政策は変更しない、と総裁が明言した(日経)。つまり、インフレになっても従前の量的緩和を停止すらできず金利も上げられない。自由度はゼロだ。

なぜ出来ないのか?それは、日銀が量的緩和=国債買い入れを停止すれば、毎年3割以上の収入不足を国債新規発行に頼る財政がただちに成り立たなくなるからだ。

金利や経常収支は、よく言われるところだが、金融政策の自由度の違いによる差異は、マスコミや経済評論家にはあまり意識されていないがより根本的な問題。

一国の富の総量≒通貨発行量と考えれば、通貨発行量だけ増やしても富の総量は変わらないので通貨一単位あたりの価値は下がる(=通貨安)。

したがって、短期はともかく中長期的に目に見える通貨発行量の増大をしていけば、トレンドは通貨安に向かうのは当然。

今回、米国FRBは金利を正常化するだけでなく止めてバランスシートを縮小していくことを示唆し、日銀は物価が2%となっても今後もバランスシートを増やしていくのだから相対的に決まる為替レートは円安に振れる。


実に簡単なロジックだが、今までいくらMMT信者にその懸念を述べても聞く耳を持たなかった。今回のコストプッシュインフレにも対応不能な日銀の不都合な現実を見て、人を財務省の犬呼ばわりしてきたMMT信者さん、少しはわかってきましたか?


それとも変わらず「十分バラマキすればすべては解決」という教義に殉じますか?

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