戦略を大転換すべき。ロックダウンは段階的に解除し医療体制作りに可能な限りの投資を

(2020年5月3日)

神戸市立病院が外来患者1000人に抗体検査を行ったところ、感感染後日数が経過してから検出されるIgG抗体が3%の方から検出されたという(共同)。少し前に慶応病院が入院予定患者にPCR検査を行ったときの結果は6%(NHK)。

  この数字をみると、日本も大都市圏では、無症候者によるサイレント感染が相当程度進んでいることが窺われる。ちなみにNY市では21%(Bloomberg)。

  一方で、現在の緊急事態宣言・ロックダウンに伴う経済的影響は中小事業者に対して深刻な影響を与えているのに対し、政府の対応-実際に国民の手元に届く時期-は遅く、かつ1回限り。イギリスやドイツのように少なくとも3ヶ月は十分に補償します、というような内容にはなっていない。

 しかし、これはこのまま続くやり方ではない。厳にもっとも懸念されていた経済による死亡と考えられる報道もあった(NHK)。

  最初に挙げた数字をみると、大都市ではクラスター対策はすでに有名無実。また、感染を根絶やしにはできないであろうことも示唆される。残念ながらこのウイルスとは、インフルエンザと同じく今後共存していく道を探るべき時期が来ている。

  今後も緊急事態宣言やそれに伴う広範な外出制限を続けて莫大な休業補償をするか、あるいは補償をしないまま中小事業者を中心として経済を根絶やしにするようなことを続けることをどこまでやるのか。

  それよりは、十分すぎるほどのコストをかけてでも、重症者・中症者・軽症者別に医療体制を整備した方がよほど社会的コストは低いものになるだろう。無症候感染者を含めれば死亡率は1%を切るという現実も見つめて、このコロナとの戦いの戦略を大転換すべき時期が来ている。 

・重症者病棟整備と整備した病院に対する思い切った奨励金を(名古屋市は患者一人200~400万円)

・中等症者に対するコロナ専門病院

・軽症者用宿泊設備の拡充

・疑い患者が気兼ねなく受診できる感染外来やオンライン診療とこれとセットとなるCT,PCR検査態勢の拡充

 

 今のように、1日における感染者や死者が100人・10人単位の日本でできないはずはないし、その単位のうちに整備を進めるべき。

桁違いに社会的コストは軽減されるであろうし、総体的に国民の幸福度は上がるだろう。

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