トレーニンググラブで守備力を向上させたい!!という話③ 〜イーグル27・ハーフウェブ〜
著・原島(監督) 編・梅村(部長)
皆様こんにちは。
この好き勝手に書いている冒頭部分は主に僕(監督)が書いています。
部長にも冒頭を書かないか提案したところ、「競馬の話するけどいい?」とのことでした。いいわけないやろ。
競馬ではありませんが、人気ゲームの「ウマ娘 プリティーダービー」で面白いものを見たのでご紹介します。
こちらのツイートなのですが、キャラクターの動きを再現するためにモーションキャプチャーが使われています。
モーションキャプチャーといえば、近年の野球研究における動作解析では欠かせないツールとなっています。そんなツールが野球だけでなく、ゲームなどの娯楽にも活用されているのですね。驚きました。
……変に伸ばすと競馬の話が紛れ込む可能性があるのでさっさと本編入りたいと思います。
今回も前回に引き続いてのValle Training Gloveシリーズです。今回はキャッチャーミットについて書いていこうかと思います。ちなみに本校では二種類持っています。正式名称は「イーグル27・ハーフウェブ」と「イーグル・27ウエイト」です。今回は前者について詳しく見ていこうと思います。
【イーグル27・ハーフウェブ】
上の画像をご覧ください。ウェブ(グラブの「網」に当たるところ)の部分が小さいです。
僕はこれを見た瞬間に「これだ!」となって即決しました。即買いです。
当時の僕がキャッチャー指導をしていた時、悩んでいた問題を解決してくれるものだったからです。それは、「キャッチャーに握り替えミスが多い」ということでした。当時は捕球をしてからすぐに強く投げられるようなステップの練習をさせていたのですが、ステップを覚えても試合になると焦って握り替えで手こずり、ワンステップ多くなってしまう。そんな場面が多々ありました。
(いま考えると、技術不足もそうですが「せっかく練習したんだから早く投げて盗塁を刺したい!」という気持ちが先行して焦っていたことも理由だと考えています。)
何とかして握り替えのミスを減らしたい…と考えていた僕は、このイーグル27・ハーフウェブ(以下ハーフウェブ)を見て一目惚れしました。これを使えば、手で捕球する感覚が掴めるから握り替えのミスがなくなる!と考えたのです。
ちなみに、この「手で捕球する感覚が掴めるから握り替えのミスがなくなる!」というのは僕の直感や思い付きではありません。以前、元プロ野球選手の米野智人氏の講演会に参加したことがありました。
その際に米野氏は、「握り替えのミスは、球がグラブのどこにあるか感覚で分からず、手探りでボールを探すから起きる。捕球した球がグラブ越しに手に当たれば、ミットのどの位置に球があるか分かるから握り替えのミスがなくなる。」という趣旨のお話をされていました。
僕はこの話を聞いてなるほどと思ったので、「手で捕球する感覚」を何とかして習得させたいと考えていました。
実際にレジ―スミスの商品紹介文を引用してみましょう。
当時の需要にまさに最適な商品だといえます。
さて、ハーフウェブを購入後持ち帰ってすぐに使わせたのですが、しばらく使わせていると「キャッチングが丁寧になってる?」と思いました。何か変わった?と当時キャッチャーをしていた子に聞いたら、「ウェブが小さいから捕り逃したら顔面にぶつかりそうで怖い。だからいつも使っているミット以上に手(キルスポット)で捕るようにしている」とのことでした。
なるほどと思いました。いつもは多少取り逃してもウェブが球を捕えてくれますが、イーグル27・ハーフウェブは名前の通りウェブが半分しかないので、捕球ミス=顔面直撃だと感じたのでしょう。そのためいつも以上に手で捕球する意識で練習していたようです。
そのやり取りをした後に、私が「それで最速の握り替えをしてよ」と言ったら、「そんなことしたら顔面にぶつかるじゃないですか、いやです」と断られました。普段はそんなこと言わない子だったのに。本当に怖かったんだろなあ…。
というわけで、ハーフウェブを使うことで握り替え問題はある程度解決しました。やはり技術面での課題はしっかり解決しています。ちゃんと手で捕れるようになっただけでなく、捕球する音も大きくなりました。
ただ、問題も残りました。気持ちが逸って握り替えでミスをしてしまうのです。練習して自分がうまくなっていることを実感したため、欲が出たというか気がはやってしまう時があったようです。これは精神面によるものなので僕の指導不足でした。
捕手に求めたい何よりの能力
これは僕個人の意見ですが、捕手として最も大切な能力は技術や能力ではないと思っています。
最も大切なのは投手に配慮することができることです。
もちろんキャッチングやブロッキング、リードなども必要ですが、まずは周りに配慮できる性格がないと捕手は務まらないと思っています。これは「高校野球」という段階が大きくかかわっているでしょう。
高校生とはいえ、まだ子供です。精神的にも未熟ですし、いつも同じコンディションで投げられるわけではありません。もちろん技術も未熟です。常に同じところに投げられるわけではありませんし、日によって球質が大きく異なることだってあると思います。それに対して、捕手の独りよがりで投手を導くのはかなり危険なことでしょう。
捕手は投手と常にコミュニケーションを取り、性格や心理状態、コンディションを常に把握する必要があります。それをしたうえで、投手の能力を最大限に引き出すリードをしてほしいものです。
ただ、性格だけで投手の信頼が得られるわけもなく、当然ある程度の能力は求められるわけです。その(技術的な)能力は大別して①キャッチング②ブロッキング③スローイングだと考えています。
①キャッチングについては、以前本校がnoteで投稿したフレーミングの章で重要性を解説しています。詳しくはそちらをご覧ください。
今回はここまでです(最後の章はイーグルとは関係ない内容となってしまいましたが)。今回はイーグル27・ハーフウェブのお話しかできなかったので、次回はイーグル27・ウエイトのお話を中心にしようかと思います。
恐らく次回でValle training gloveのシリーズはおしまいですね。少しでも読み応えのあるnoteになるように頑張ります!
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