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トレーニンググラブで守備力を向上させたい!!という話② 〜イーグルK47〜

著:原島(監督) 編:梅村(部長)

皆様こんにちは。

本校野球部のTwitterは他校様の野球部のアカウントと比べて別路線を走っています。

https://twitter.com/Ratels_

 他校様は子どもたちの様子や練習試合の結果などを発信していますが、本校は部長と監督が好き勝手につぶやいたり、たまに部長が英語のやつをリツイートしたりしています。個人垢でやれと思うような内容ばかりで、広報にならないのではないかと感じてしまいます。


 部長にはもっとキラキラした投稿をするようにしてほしいのですが、こう言ってたから無理やろなあ。そんなんだからフォロワーが増えないんだぞ。

 今回は前回に引き続いて、トレーニンググラブについてです。本校では複数のトレーニンググラブを使い分けていますが、これは形によって用途が違うからです。前回紹介したのはイーグルKK(通称:パンケーキ)。今回は「イーグルK47」を紹介します。

ちなみに本校では見分けをつけるためにイーグルKKのことを「パンケーキ」、EK47を「イーグル」と呼んでいます(以降イーグルと呼びます)。

1.イーグルK47とは


実物の紹介

このイーグルはパンケーキと同様、レジ―スミスベースボール:ジャパン(以下レジースミス)様の商品です。
(今回引用する画像はすべてレジ―スミスのサイトからの引用です。)

まずは、写真をご覧ください。

なんかここのグラブ全部白いんですよね。

 まあ普通のグラブやろ…という気がするのですが、実はこれとても小さいのです。普通のグラブと比較した写真がありますのでこちらをご覧ください。

〈写真はこちら〉

結構小さいですよね。一般的に市販されているトレーニンググラブよりも小さいかもしれません。

このグラブの説明をレジースミスのHPより引用します。

イーグル:K47はイーグルKKの柔らかいパンケーキタイプとイーグル8Sの小型グラブを組み合わせて作られたハイブリッドモデルです。イーグルKKの感覚でイーグル8Sのように捕球できる仕様になっている最も小型な難易度の高いグラブです。

メジャーリーガーの選手、コーチの要望に応えて作られておりトロント・ブルージェースのボー・ビシェット遊撃手が愛用しているトレーニング・グラブです。ステアハイドの柔らかい革を使用しておりますので、小さな野球少年でも十分に使用できます。まさにコスパ抜群のグラブです!

 このグラブを使う意図はパンケーキとほぼ変わりません。違うのはパンケーキと同じ練習を強い打球で行えるという点です。

そのため、意識することは全く変わりません。①キルスポットで捕ること=手で捕る感覚を大切にすることと②「On time」=バウンドした瞬間にボールを取ることです。この二つを実践的な打球で練習することができるのです。

※キルスポットとOn timeの解説は前回のnoteにあります。

使ってみると

 とはいえ、なーんだそれだけなら簡単に捕れそうじゃんと思っていた時が僕にもありました。

 しかし、これがすごく大変です。

 いつものゴロが全く捕れなくなります。特にショートバウンドやハーフバウンドです。今までグラブの先っぽ(=網の近く)で捕っていた選手は全く捕れなくなりました。グラブにかすりもせずにトンネルすることすらありました。

 捕れなくなった原因は誤魔化しがきかなくなったからではないかと考えています(その子をひどく言うわけではありませんが)。

 イーグルを使うと、これまではグラブのどこかで捕れていた(ポケットでも土手でも先っぽでも)のが、キルスポットでしか捕れなくなります。結果として、パンケーキでの遅い球しかキルスポットで捕れない子はここで詰まります。

 ちなみにその選手は一か月ぐらいずっとイーグルを使い続けた結果、ある程度捕れるようになりました。普段は普通のグラブを使わず(試合前のシートノックも)イーグルを使い、試合の時だけ自分のグラブを使っていました。

 では、ここからは実際にイーグルを使うことでどのような効果が出たかを紹介します。

3.イーグルを使う効果


 イーグルを使うと……

守備がうまくなる


 身も蓋もない感想ですが、本当にこれに尽きます。打球を取りこぼすことがなくなったり、難しいバウンドでも足が動いて捕れるようになったりしました。

 イーグルを使っていた選手に、自分の中でどう変わったかきくと、「試合で打球が来ても余裕をもってボールが見られるようになった」と返ってきました。「イーグルとは違ってグラブが大きくて安心するから」だそうです。

 それはどうなの?というところですが、その選手は守備に対してかなり前向きになったので、それも一つの効果としてはありなのかな…?というところです。

 ただ、これだけでうまくなるとは思えません。もう少し理由を考えてみましょう。指導者側から見ていて考えられる要因は大きく分けて二つです。

  1. グラブでのボールを捕る場所が(ある程度)一定になったから

  2. 足が止まるということがなくなり、バウンドが合わなかったら前に出られるようになったから

 やはり1によるところが大きいです。ボールを捕る場所が一定になるというのは、キルスポットで捕れるようになったらです。(ある程度)と書いたのは、まだ身体に染みついていないため、捕る場所に誤差があるのでしょう。

2については、「捕る場所が少ないため、打球を待つのではなく捕りやすいところで捕れるように身体が動くようになる」というところかと思っています。キルスポットやOn timeとは少し目的が異なりますが、捕りづらいが故の適応だと考えれば十分です。


3.ますます要求されるハンドリング能力

 ハンドリング能力というものは、内野手にとってはこれまでも必須の能力でしたが、これからはその重要性が増すことになると思います。高校野球では金属バットの規格が変更となります。その理由としては、打球速度が上がりすぎて守備側の選手が危ないというところが大きいでしょうか。

 たとえば打球速度が測定されているMLBでは、測定が開始された2015年以降平均打球速度は徐々に上がっています。2015年が88.2mph(約141.9km/h)だったのが、現在は89.0mph(約143.2km/h)と約1.3km/h速くなりました。

2023年は5月10日まで。データはFangraphsより。
作っといてなんですが、これ上がっているといっていいのか割と不安ですね。

 また、世界大会に適応できるようになるためということもあると思います。従来のバットより飛ばなくなるらしいので、2024年からは打球速度や飛距離がやや低くなるでしょう。しかし、トレーニングが発展してきた昨今では、その影響は限定的になると思われます。

(部長より)この規定変更、韓国では低反発バットに切り替えた結果投手が育たなくなった、という言説もありますので球界のレベルについて考える上では賛否両論ありそうですね。

 大学・社会人野球になれば木製バットになります。とはいえ、高校野球よりもさらに鍛え上げられた身体から飛んでくる打球の速さはさらに強烈なものとなるでしょう。

 この打球に対応するには「正面に回り込んで」などと言っている場合ではありません。ケガをしないためにも、より捕球できるようにするためにも、ハンドリング能力は内野手には欠かせません。今後大学で野球をやりたい、という選手にとって、イーグルのようなグラブでトレーニングをしておくのは重要であるように感じます。


今回はValle training gloveのイーグルK47をご紹介しました。

興味がある方は購入されてはいかがでしょうか?感想などがございましたら是非とも教えてください。お値段は税込みで25,900円です(2023年5月現在)。

ではまた。次回はValle Training Gloveのキャッチャーミットについて書く予定です。




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