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あおヤギさんからの手紙 #8 国会と国民のチェックの必要性 2021年度予算


「国会での野党議員と菅政権の論戦を聞いて、今どんな問題が起こっているのが分かった。そして、そうした問題をしっかり追及しているのがすごく良かった。」

国会の審議をラジオで聴いた横浜市在住の方が、事務所にこんな声を寄せてくれました。
たとえ自分の質疑ではなくとも、国会での議論が人の心に刺さったのであれば国会議員としては喜びに堪えません。

過去最大規模106兆円 コロナ対策は十分か

国会では今、2021年度予算案が審議されています。
政府が提出した予算案は、比較的感染状況が落ち着いていた昨年秋から年末にかけて編成されたため、コロナ危機に対応した予算案になっているか疑問が残るものとなっています。

感染収束に向けた検査体制の拡充、日々感染者のケアに努める医療従事者・医療機関への支援と減収補償、自治体へのクチン接種体制の支援、経済的影響を受けた方々への補償と支援、変異種をはじめ水際対策の強化などなど…。

感染収束が見込めない中、予算をかけて政府が行わなければならないことは山ほどあります。立憲民主党は、コロナ対策が不十分であることを指摘し、国民の命とくらしをまもるための予算の組み換え案を提出しました。

ゼロコロナを目指して徹底的に感染拡大の波を収束させる。そして、早期に通常に近い生活・経済活動を取り戻す。そのために、より一層、予算をかけて必要な対策を行わなければなりません。


結果として、立憲民主党が提案した予算案は否決されました。そして政府の予算案が衆院で可決され、憲法で規定された衆議院の優越により、年度内に成立することが確定しました。

組み換え動議は否決されてしまいましたが、一方で、冒頭の地元の方の意見をもらい、国会での審議という過程の部分こそ民主主義国家として軽視してはならない、と改めて痛感をしました。

野党が国民に代わって行政をチェックすること、そして、国会での議論を国民に公開し、問題点を認識してもらうこと。行政監視機能こそ国会の役割であり、その役割を私たち国会議員は果たさなくてはなりません。


行政監視の目が届きにくい予備費と特例公債法案


今回の予算案には5兆円の予備費が計上されました。
予備費とは、国会の承認を経ずに政府の判断で自由に使い道を決められる予算のことです。そのため、国会の監視の目がなかなか届くものではありません。

たしかに、コロナ禍の今、使途を決めないことで感染状況に応じて柔軟に予算を使うことができるというメリットもあります。しかし、国民の税金がどのように使われるのか事前にチェックを行うことができない以上、恣意的に使用されてしまう危険があり、民主主義の観点から問題であると言わざるを得ません。

また今回、予算案と同時に特例公債法案が衆院で可決されました。こちらも国会が監視できないという点で問題です。特例公債法案とは、国会の承認を経ずに5年間の赤字国債の発行を可能にする法案です。

赤字国債は、昭和50年度から現在に至るまで毎年度国会において審議されてきました。国民の監視のもと財政規律を守っていくために他なりません。それが、成立してしまえば国債という重要な予算について5年間も議論がなされないままとなってしまいます。赤字国債は国家財政の根幹にかかわる部分にも関わらず、衆議院議員の任期である4年を超え、政府に白紙委任されてしまうのは望ましくありません。

毎年審議を行えば、たとえ政府提案の赤字国債発行が通ったとしても、国会での議論を通して、国民は現在の日本の財政状況について確認し、何が問題であるのか認識することができるでしょう。特例公債法案が成立してしまえば、国民のそのような貴重な機会が奪われてしまいます。

国会をオープンなものに

国会のチェック、国民のチェックが大事だと書いてきましたが、まだまだ国民にとって国会審議は遠いものであると思います。

そのため、立憲民主党は、現在、国会審議をyoutubeチャンネルやツイキャスで中継を行ったり、分かりづらい国会審議を解説したりすることによって、国会をオープンなものにしようと取り組んでいます。


少しずつではありますが、国会審議を身近なものとして感じてもらえたらと思います。

私個人としても、発信を続けて政治と国民の距離を埋められるように励んでまいります。

そして、政治は「信なくば立たず」です。信頼される政治をつくっていくために襟を正して国会で活動してまいります。


衆議院議員 青柳陽一郎