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あおヤギさんからの手紙 #7カジノ問題 「審査」のみに徹する国の姿勢 国民のための施策を

こんにちは、衆議院議員の青柳陽一郎です。

コロナ禍に加え、寒くなったり暖かくなったり、三寒四温で体調管理が大変な時期ですね。どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。

さて、2月26日に予算委員会第8文科会にて、赤羽国交相にカジノ誘致に関する見解を伺いました。

結論から言うと、コロナ禍の今、国が観光施策・経済施策としてのカジノ誘致をどのように位置付けているのか、どのような将来的なビジョンを持っているのかといった事が全く見えませんでした。終始、申請するのは地方自治体であり、その申請に対して国は審査をするのみとのコメントで、国の主導する公共政策として政府の責任をどのように考えているのか、大変不安になるようなものでした。

コロナ禍と誘致の経済効果について

現在のコロナ禍で、海外のカジノ事業者は苦境に立たされています。インバウンド需要が望めず赤字経営が目立ち、今後収益が見込めるのかどうか甚だ疑問です。
赤羽大臣に国のIR誘致の見解を求めたところ、以下の通りでした。

・2019年骨太の方針では観光活性化の重要な施策として位置づけられている。2020年も継続施策として、変更は特にない。
・滞在型観光モデルとしてMICE(大型の国際会議や展示イベントなど)を誘致できるようにする。
・コロナ禍でカジノの海外事業者の経営状況が厳しいことは承知している。開業時期は2020年代後半を予定している。
地域はリスク評価を踏まえ準備を進めている。国は来た申請に対し、審査を行う。
・それぞれの案件を当事者が先を見通して分析を行う。誘致を諦める自治体も出ると予想されるが、それについて国は関知しない。法に照らして客観的に審査を行う。

上記からわかるように、国が行うのはあくまでも審査のみであり、申請が法律に則ったものであるかについては十分に審査を行うが、カジノを誘致した結果経済効果が見込めるのか、リスクの算出については自治体の責任であり、国は関知しないという姿勢が浮き彫りとなりました。

国が重要な目玉施策として推し進めるのであれば、国が今一度経済効果などを分析する必要があるのではないでしょうか。カジノは公共インフラでなくビジネスです。新型コロナウイルスの収束も未だ見込めず、インバウンド需要がどれほど今後望めるのか分かりません。また、5年先、10年先の完成したころにはビジネスモデルとして古いものとなり、負の遺産になってしまう可能性もあります。そのようなリスクがあるにもかかわらず、自治体に全責任を投げるような姿勢は望ましいものではありません。地方自治体のIRビジネスの失敗は、国の経済施策の失敗です。国の施策として誘致を進めるのであれば自治体任せにせず、どれほどの経済効果が見込めるのであるのか再度分析を行い、国民に対して説得に努める立場ではないでしょうか。

なによりカジノ経営が失敗した場合には、横浜市は共同事業者として税収で補填するとの答弁を行っています。半数を超える横浜市民が誘致に反対をしているにもかかわらず、そのようなツケを支払わなければならないのは納得いくはずありません。

国民の利益のための政策を

国交省副大臣の秋元司衆議院議員が収賄容疑で逮捕され一年余りが経ちます。政府からは具体的な釈明もないまま誘致に向けた事業選定のスケジュールが組まれています。この件について赤羽大臣は、審査はこれからであり、公平性・透明性を確保し、なぜこの自治体が選定をされたのかということが分かるようにすると述べるのみで、煮え切らない返答に終わりました。

審査の際に透明性が確保されていれば良いという政府の姿勢は国民に対して不誠実ではないでしょうか。そもそも審査の段階で透明性公平性が担保されているのかどうかについて国がどれほどチェックをできるのか疑問です。副大臣が収賄で逮捕された時点で、国は一度誘致を取りやめて国民の疑念が取り払われるように努めるべきであったと思います。現職議員の逮捕について判決が出ていないからと言ってコメントを出さず、調査を行い国民に説明をしようとしない姿勢は誘致をすすめるのであれば許されないのではないでしょうか。

現在の総務省の接待問題でも同様に、本日3月1日に山田内閣広報官は体調不良を理由に辞職をし、十分な説明を行わないまま幕引きが行われる形となりました。問題究明や説明責任を果たそうとしないが故に、民間との癒着関係を許してしまう不祥事が立て続けに起こってしまっています。モリカケ問題に始まり、ルールに則っている方が損をし、不正を働く方が利益を得られるという世の中を政府が身を以って示している状態です。

本来国民に広く行き届くはずの利益が、一部の権力に近い団体に渡ってしまうことはあってはなりません。

政府は国民に利益があるからIR誘致をすすめているのでしょうか?
国民ではなく不正を働いた人間が得をするために誘致がすすめられてはいないでしょうか?

政府は今一度、国民の方を向いて、国民のための政策を講じるよう尽力していかなければなりません。

質疑は下記より動画にてご覧いただけます。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51571&media_type=


2月27日神奈川新聞に質疑について取り上げられました。https://www.kanaloco.jp/limited/node/413328


衆議院議員 青柳陽一郎