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[商品パッケージの配色分析4]素材の良さと自信の表れのシンプル配色

パッケージのカラー分析を定期的に記事にしています。
カラー分析は色彩検定を勉強する方にも役立つように、新配色カード199a(以下、配色カード)を使ってご紹介していきますね。

今日取り上げるのは、文明堂総本店「文明堂のカステラ」パッケージ。

絵柄がかわいい

配色はカステラそのものを表す黄色と茶色。
黄色と茶色は焼き菓子の定番カラーです。

昔から変わらずシンプルな素材で作っている

余計な色がないので、そんなメッセージがストレートに伝わってきます。


配色カードで詳細な色みを分析すると

黄色:dp8
茶色:近い色がなかったのでdp6とdk6で代用

黄色は玉子の黄味を連想させる濃いめの黄色
茶色はだいだいに近い明るめの色

厳密にいうと黄色と茶色はトーンが違いますが、このパッケージは同一トーンのようなまとまり感があります。

色相は少し変化のある類似色相配色でドミナントカラー配色と言えるでしょう。

同系色でまとめると、落ち着いた印象で好感を持ちやすくなります。

1点だけ茶系でも少し違う色みがあります。

文明堂のロゴ、銅の箔押しのような色。
近似値は、g4とBR-2

絵柄に比べると、やや赤みの強い茶色です。

色だけ見ると洋菓子やパンを連想する色ですね。

食品関係で使いやすい配色になりますが、他には…レトロなものを表現するときにも使えそう。


少し前のカラーマーケティングの本にこんな記述がありました

焼き菓子の薄茶色を美しく見せるため黄色いパッケージ・デザインを使ってみたところ、大変おいしそうに見えて売れるようになったといいます。
売れるデザインは残ります。売れると、つぎつぎに模倣するデザインが生まれてくるからです。
そういうわけで、いつの間にか、お菓子屋さんの店頭は黄色がいっぱいになりました。そして、黄色が甘さを象徴する色の代表になりました。
伊吹卓著『事典 おもしろカラーマーケティング』㈱中央経済社 平成9年


甘いといえば、私は1番にピンクをイメージしますが。

1990年代のお菓子業界は、ピンクのパッケージはまだそこまで多くなかったのかもしれませんね。


商品の歴史、販売会社のコンセプト、時代背景など、パッケージ配色からさまざまなことが伺えます。

奥が深くておもしろいパッケージ分析です。


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