スタートアップ企業の資金調達
はじめに
スタートアップ企業とは、高い成長が見込まれる未上場企業をいいます。スタートアップ企業の事業は、不確実な市場環境下で行われリスクは高いですが、成功した場合には巨額のリターンを得ることができます。したがって、ベンチャーキャピタルや個人のエンジェル投資家からの出資による資金調達がメインになります。
スタートアップ企業と対照的な存在がスモールビジネスです。中小企業の多くはスモールビジネスであり、確実な利益を得て継続的に成長します。資金調達は銀行からの融資が主になり、過去の実績により評価をされるケースが多いです。
投資ラウンド
スタートアップ企業の資金調達の記事を読んでると、シードラウンドやシリーズAという言葉がでてきます。これは投資のラウンドを表しており、スタートアップ企業の成熟度によって変わってくるものになります。
シードラウンド・・・起業前のアイデア段階や起業直後であり、資金調達の額としてはそれほどおおきくなく、融資や自己資金で賄うことがおおいです。エンジェル投資家が企業理念などから投資してくれるケースもあります。
シリーズA・・・創業1~2年の実際に事業が動いている段階となり、このあたりからベンチャーキャピタルではいることが多いです。
シリーズB・・・ビジネスモデルが確立され事業が好調に進んでいるときには、そのスピードを加速させるために資金が必要になり、ベンチャーキャピタルが主な資金調達先です。
シリーズC以降・・・出資者の投資の回収をどうするかを考えなければならない段階です。シリーズC以降も必要に応じて、資金調達は行われます。UberはシリーズGまで、AirbnbはシリーズFまでやっているようです。
ベンチャーキャピタルについて
スタートアップ企業に対して戦略的に投資を行う投資会社をベンチャーキャピタルといいます。ベンチャーキャピタルの収入源は、成果報酬と管理報酬の2種類あります。
成果報酬・・・スタートアップ企業を上場(株式公開)させることや他のファンドに転売することにより得ることができます。
管理報酬・・・機関投資家、事業会社、個人投資家(Limited Partner、以下LPといいます。)から資金を集め、ファンドを組成し、ファンドを投資家の代わりに運用することで得ることができます。
しががって、ベンチャーキャピタルにとってスタートアップ企業の事業価値の向上は至上命題です。経営支援等でパフォーマンスをだすことによりLPからの信頼を得ることができます。
ベンチャーキャピタルの戦略としては、10億円規模のファンドから成果をだし、100億、500億と大きなファンドを組成していくものになります。
おわりに
上述の通りベンチャーキャピタルにとっては、スタートアップ企業の事業価値の向上が至上命題であり、経営にも口をだしてきます。ベンチャーキャピタルとしては、短期間で事業を成長させ上場やバイアウトすることが目的なので、場合によってはスタートアップ企業の理念に反した決断を迫ってくることも想定されます。
このような齟齬が生じないためにも、スタートアップ企業にとってベンチャーキャピタルの選定はとても重要になります。企業理念を理解していただき、ともに成長してくれる方からの支援を選ぶべきです。
最後までお読みいただきありがとうございす。
青柳貴
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