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中央アジア今昔映画祭2022『不屈』

「『不屈』(ウズベキスタン/2018)監督・脚本:ラシド・マリコフ 出演:カリム・ミルハディエフ、セイドゥラ・モルダハノフ、ベクゾド・ハムラエフ、ニゴラ・カリムバエワ

ウズベキスタン西部のカラカルパクスタンを舞台にした、中央アジアでは珍しいアフガン帰還兵を題材にした物語。同国がアフガニスタンへの前線基地だった歴史が背景にあり、ソ連時代はタブーであったアフガン侵攻の現実が描かれる。
元軍人のサイデュラは退役後、学校に勤め、愛犬と暮らしている。彼の元にはアフガニスタンで命を落とした戦友の亡霊が時々現れる。息子家族も同じ町に住むが、確執があり、孫と触れ合うこともできない。ある日、自身が癌で余命わずかなことを知った彼は、人生でやり残していた仕事に取りかかる。

中央アジア今昔映画祭2022

ソ連時代のアフガン戦争(チェチェン)が描かれている。ソ連兵のPTSDを被った元兵士のドラマ。幻想として亡くなった同志の兵が出てきて彼の家族のことなど聴いたする。元兵士は息子とは疎遠になっている(妻を死なせたのは彼の責任だと息子は思っていた)。学校の先生なのだが、学校の設備がいい加減で水も出ないので、彼が元兵士に頼んで賄賂で水道を引く工事をさせる。こう書くといい人のように思うがなんかやさぐれたおっさんなのだ。

そこに彼の戦争での辛い体験があって後半それがあきらかになるのだ。激しい戦闘シーンはないがかなり辛い状況を描いて秀逸な映画になっている。ただシリアスすぎるので少々退屈してしまう。妻の死亡の原因がよくわからなかった。そこをもっと掘り下げれば面白くなったかも。


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