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「空蝉」よりも小君が気になる
『源氏物語 03 空蝉』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版)
平安時代中期に紫式部によって創作された最古の長編小説を、与謝野晶子が生き生きと大胆に現代語に訳した決定版。全54帖の第3帖「空蝉」。空蝉を忘れられない源氏は紀伊守が留守の日にそっと訪れる。家には紀伊守の妹・軒端の荻が遊びに来て二人で碁を打っていた。夜、忍んで行った源氏の香の匂いに気付いた空蝉はすっと寝室を抜け出てしまう。源氏は一人残った娘を気遣い、今宵の相手とした。源氏は空蝉の残した着物を持ち帰り、恨めしく思う。しかし空蝉もまた、源氏への複雑な想いに煩悶するのだった。
角田光代の現代語訳を読んでいたのだが、最初は小君の性別がわからなく、女の子だと思ったら少年だった。与謝野晶子は最初から少年と出てくるのだが、角田訳は小君は男だとわかりきっているとするのだろうか?
「かわいい」とあるので、光源氏も好意があるように思わせていた(ボーイズ・ラブ的な)。姉より弟のほうが可愛いとは。ちょうど『紫式部日記』を読んでいたので小少将の君と重ねて読んでしまった。与謝野晶子の方は後から読んだので理解しやすかったというのがあるのだが、こっちで読んだほうがいいのだろうか?
「空蝉」のタイトルにもなった和歌
(光源氏)
うつせみの身をかへてける木(こ)のもとになほ人がらのなつかしきかな
(空蝉の返し)
うつせみの羽に置く露の木隠(こがく)れ忍び忍びに濡れる袖かな
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