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素顔になるほど力強くなるデニス・ホー

『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』監督スー・ウィリアムズ 出演デニス・ホー

解説/あらすじ
2014 年に香港で起きた「雨傘運動」。警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、一人のスーパースターの姿があった。彼女の名前はデニス・ホー。同性愛を公表する香港のスター歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていた。彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまう。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷モントリオールへと向かうのであった。


香港の民主化運動に声を上げた香港ポップのスーパースターのデニス・ホーの半生を撮ったドキュメンタリー。香港民主化運動が主体ではなく、カナダのモントリオールのスターに憧れいた少女時代から香港ポップスターの女王との出会いと死、バイセクシャルであることのカミングアウト。そして、30過ぎてからの今までのポップ・スターから脱皮。

すべて、自身で考えた結果出てきたことで、それが香港民主化運動と連動していくのだ。政治的発言により、中国市場からの撤退を余儀なくされた。中国は市場経済でブランド・メーカーとか数多く入っているのだが、その協賛会社がすべて手を引く。そのことで手作りコンサートを企て、より素顔を晒すようになりメンバーも少人数になったが、それが狭いライブ会場での親近感を生み出しており、その姿に感動した。最初のモントリオールでのライブで最初に作ったモントリオールの歌を感情が高ぶって歌えないのだが、そうした姿も彼女の素顔なのだと思った。感情的なところはあるかもしれないが、それを仏教を学ぶことでコントロールしようとしていたり努力の人でもあった。

中国ではこういう行動は弾圧はされるのだけれど、テレサ・テンからデニス・ホーまで次々に反体制のスターが出てくるのだ。彼女たちの歌が次世代の子らに受け継がれているのは事実で、日本より期待出来るかもしれない。日本は沖縄のスターが自民党に買収されたりするのだから。


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