かつての日本バブルのような中国映画
『シャドウプレイ【完全版】』(2018年/中国/129分)【監督】ロウ・イエ 【キャスト】ジン・ボーラン,ソン・ジア,チン・ハオ,マー・スーチュン,チャン・ソンウェン,ミシェル・チェン,エディソン・チャン
日本がバブルで沈没する頃から中国バブルが始まるのだがその過程が予告編のようにフラッシュバックさせる映像は斬新だった。ただ連続ドラマに慣れている人はわかりにくいのかもしれない。映像的には素晴らしいのだが、イマイチ評価が低いのはそんなところか?
不動産バブルの権力との癒着を描いた映画なのだが、中国は北京と郊外の格差社会に、台湾と香港も絡んでくるからストーリーも複雑になる。とくに台湾のホステスが中国の男に良いように利用されて捨てられるのは政治的状況も踏まえているのかなと思った。欲望の都市に巣食う男と女の情念の世界を描いた刑事ドラマなのだ。香港ノワールの血を引く感じのロウ・イエ監督なのか?娘が香港でしぶとく生き残るというのはドラマチックではあるが、その後の展開は予想できる。
なによりも映像の展開が見事すぎる。最初の開発地のスラム街のビルはそういうところがまだあったのだろうか?そういう中国社会の裏側もきっちり描かれていたようである。そして、霧の情景から始まるのが墨絵的なオープニングでそういう映像の使い方も上手い。事故車をスクラップするシーンとか。カーアクションも韓国映画に引けを取らないぐらいに凄くなっていた。その当たりの映画のテクニックは韓国ノワールに近いのかな。日本だけ置いてけぼりみたいな。まあ、そういうアクション映画はすでに後進国になってしまったのだろうな。日本はアニメ映画の国だから。
映画の内容はまさにバブル時代の日本をも彷彿させるような映画で日本だと80年代頃なのかな。主役はキムタクみたいだで女の子はキョンキョンみたいだった。
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