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あの二人の勘違い映画

『ゴーストワールド』(2001年/アメリカ/カラー/ビスタ/1h51)監督・脚本:テリー・ツワイゴフ 出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ

あの二人が帰ってきた! 伝説の”低体温”ティーンズ復活
高校を卒業しても社会になじめず、うだうだと時間をつぶすイーニドとレベッカ。あるときイーニドは冴えない中年男をからかうが、そのレコードマニアぶりに心惹かれていく。一方、レベッカは自立を目指し…。居場所を見つけられない若者たちを描いた伝説の傑作。

予告編を観て「あの二人が帰ってきた」というのをてっきり『ブックスマート』の二人組だと思ったら、2001年に公開された映画のことだった。二人というが主人公は高校を卒業して女の友情は薄情にも途絶え、ヲタク中年男(中年には見えなかったが)との成り行きのラブコメであり、まだこの頃はシスター・フッドという映画は出てなかったのだが、この映画が走りだったのだろうか?

ただ見比べてみるとわかるように『ブックマート』は明らかにシスターフッドの関係の映画ではあるが、『ゴーストワールド』はそんな関係も幻想であり、高校を卒業すれば一人で生きていかなければならないという高校の卒業は通過儀礼として、立派な社会人になるのを期待する世間と未だに高校生気分が抜けきれないヲタク女子の自立の映画となっていることである。

ヲタク男は50年代コレクターなのか?回顧趣味的なオールディーズファンなんだが、そのリバイバル的な2001年代という新世紀の始まりだったのだろうか?日本だと空白の10年とか言われる頃だが、なんかコメディではあるのだが、一人取り残された感が切実な映画だった。

今の時代のほうが開き直ってしまったのか。『ブックスマート』はいつまでも大人にならずにその延長でシスターフッドという感じだが。勘違いだったが、その2つの映画は似ているだけに、比べてみるのも面白いかもしれない。

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