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癒やしヴォイスのジョニ・ミチェル

“Joni Mitchell Archives, Vol. 2: The Reprise Years (1968-1971)"

時代や地域を超えて多くの音楽リスナー、ミュージシャンから変わらぬ共感と尊敬を集めるシンガー・ソング・ライター、ジョニ・ミッチェル。数多のソングライターが愛し、憧れたアーティストである彼女の偉大なるキャリアを、貴重な未発表音源とともに俯瞰する壮大なプロジェクト、”ジョニ・ミッチェル・アーカイヴ・シリーズ”。その第一弾作品がリリースされたのが2020年10月の事だが、それから約1年後となる今、遂にとしてそのVOL. 2となる『JONI MITCHELL ARCHIVES VOL.2: THE REPRISE YEARS (1968-1971)』が登場する!

今作は、タイトルにもある通り、1968年のデビュー・アルバム『SONG TO A SEAGULL』から1971年の名作『BLUE』までとなる、4年に亘る彼女のReprise Records期からの貴重な音源ばかりをコンパイルした、豪華5枚組CDボックスセットだ。前作同様、ジョニ・ミッチェルというアーティストの類まれなる音楽性を深く掘り下げていくこの作品は、ジョニ本人も深くかかわりながら、国宝級ともいえる貴重な音源を丹念に調査、レストアして完成させたまさに至宝の逸品だと言えるだろう。

彼女のキャリアにおいて最もクリエイティヴな時期でもある1968年から1971年までの音源をコンパイルしたこのコレクション『JONI MICHELL ARCHIVES - VOL. 2: THE REPRISE YEARS (1968-1971)』は、彼女のキャリアをリアルタイムで追体験できるよう、年代順に楽曲が収録されている。デビュー・アルバム発売直前の自宅でのホーム・レコーディング音源や友人のジェーン・ルーリーが住んでいたニューヨークのチェルシーにあるアパートメントでレコーディングした音源(ここには「Jesus」という未発表オリジナル曲も収録されている)、あのジミ・ヘンドリックスが実際に会場を訪れてレコーディングをしたという、1968年のカナダはオンタリオ州オタワでのライヴ・パフォーマンス音源、BBC出演時の音源、1969年2月に行われたカーネギー・ホールでのパフォーマンス、ジェームス・テイラーを迎えたBBCコンサートの模様、そして名作『BLUE』のアウトテイクなど、アーティストとしての彼女の歩みを俯瞰的に追体験できる、見事な構成。

その他のバージョン

ジョニ・ミチェルの未発表デモテープ。こういうのは完成形じゃなく、成長記録だからコアなファンならではのものなんだろう、と思って昨日一日流しっぱなしにしていたら、思ったより良かった。

へんに音をいじったり加えていない素のままの良さがある。ギター一本で歌っていたり、身近に感じられるライブが心地よい。BGMとしても疲れないし、癒やし効果もあるような。

カーペータンズのヘレンの声が、音域的に高すぎもせず低くもない癒やしヴォイスと言われたが、ジョニ・ミチェルのこの声もいい。ギターとの波長かな。そよ風のようにすっと入ってくる。今の時期だったら、部屋の空気が暖まる感じだ。親密感。

無理に声を張り上げたりせず(最近の歌は圧迫感あるものばかりだから)、自然と耳に心地よいのだ。プライベート感があり、ジョニ・ミチェルが彼女になったような。



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