見出し画像

図らずしもギル・エヴァンスのベスト盤ではないけど彼の編曲能力がわかる

"Plays the Music of Jimi Hendrix"Gil Evans( RCAレコード/1974年)

画像1


9月18日がジミヘンの命日だったので、ジミヘンのアルバムと思ったけど何故かギル・エヴァンスのアルバムを聴きたくなった。このアルバムは、ジミヘンが好きなギル・エヴァンスがジミヘンを招いてアルバムを制作する前にジミヘンが亡くなったので、急遽トリビュート・コンサートがカーネギホールで行われた。その後にアルバムを作ったのだがギル・エヴァンスが編曲したのは、Medelyの"Castle Made Of Sand"と"Up From The Skies"、"Little Wing"の3曲だけだと知りました。

例えば一曲目の"Angel"はデヴィッド・サンボーンがまだ売れる前の彼ならでは甘いサックス・ソロでいいんですけど、ギル・エヴァンスぽくない。今聞くとフュージョンですよね。ジミヘンがいたらここに参加するか?と思ってしまいます。そうこのアルバムでは明確な主役が欠けていたのです。

二曲目も日本人の川崎燎が頑張っているので話題になりましたけどジミヘンではないのは明らかで、それが一層欠如感があるのです。これもオリジナルを超える曲でもない。

三曲目からやっとギル・エヴァンスの編曲です。やはりギルが編曲するとしっかり構成が出来ていてまとまっています。でもやはりジミヘンがいないまとまり方なんだと思います。

六曲目"Voodoo Chile"はその後『ライブ・アット・スイート・ベイジル』で再演してますけど、明らかに豪華さが違う。

一番いいと思うのは"Little Wing"ですけど、これも後に同じタイトルでライブ盤がでていますね。87年にスティングとの共演もあります。

結局、結論的にはジミヘンの『エレクトリック・レディランド』を聴くほうがいいのですが、少なくともこのアルバムはギル・エヴァンスのアレンジ能力の高さは示されたと思います。彼のベストではないですけど。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?