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坐骨神経痛からの復活!

ローランド・カーク『天才ローランド・カークの復活』

ワーナー・ブラザースに移籍して脳卒中で倒れて右半身付随となったローランド・カークが残したアルバム(卒中前の録音もあるという)。ローランド・カークは盲目のマルチ奏者。ただマルチ奏者と言っても複数の楽器が出来るというだけではなく、三管を同時吹いて演奏したり。そのスタイルから見世物的な音楽を想像しがちだが、彼のテクニックは耳の良さにしろ、循環呼吸奏法にしろ、驚異的なタンキングにしろ、全てで他の者を圧倒してしまう。しかし、ここでは歌(コーラス)の伴奏として歌を導いていく。両手が使えなく一本の楽器で演奏するしかなかったからだ。

だが結果として、それは村に降りた「瞽女」が三味線を杖代わりに民衆の歌の輪の中にいて伴奏する姿と重なる。盲目の人を導く杖を楽器に変えて、それを松明として冬の農閑期の村に歌という明かりを灯すのだ。彼らの音楽は明るい。

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you wouldn't forget him either
if you met im where i met him
talkin about desolation
desolation isi sraliorad station round about a 2am a\on w week night
you walk into desolation like that and suddenly out of nowhere comes a warm song you aren't about to forget it
thisis the first ime i've heard him at the airport
i know he moves along th epiers
he calls himself a journey agent
a eulipion
syas hi freinds the poets and the artists adn the musicians are eulipions
too
listen to his tune
he calls it the duty free gift for the traveller
if there were no song
you would have this song
to give warmth at night
and to keep you strong
it would make love a guess
spinning round and round
and when meteors fall
love would reach the ground
if there were no moon
to control the tides
there would be these notes
as the sail goes by
we woudl make song??
and the praises soft
on the offer of love
may you live it out


このアルバムの一曲目『「ユーピリオン」のテーマ』にローランド・カークのことが語られている。"eulipion"も造語でこの詩を書いたBetty Nealsも検索したのだが、よくわからなかったのでそのまま英詩を載せておいた。動画と詩を辿れば伝わるものがあるのかもしれない。「ユーピリオン」と言われる人々がテーマなのだ。その筆頭にローランド・カークがいる。


例えば彼を吟遊詩人と言ってもいいかもしれない。ここで演奏されるそれぞれの曲の中に"eulipion"の人々が現れてくる。それは「スイート・ジョージア・ブラウン」から、かつての巨匠たちの名演(ジャンゴ・ラインハルト、バド・パウエル)を大衆音楽に変えてみせる。この有名なスタンダードを口笛と打楽器とテナー・サックスで路上パフォーマーのような大道芸人、見世物小屋の音楽と言ってもいいかもしれない、

それはミリー・バートンのヒット曲、「ラビング・ユー」もチャールズ・ミンガスがレスター・ヤングに捧げた「グッバイ・ポーク・パイ・ハット」もジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップ」も大衆音楽として伴奏者としてのローランド・カークがいる。かつてのように一人で何でも出来るジャズ・ミュージシャンではなく、希望の歌としての相互扶助的な役割としてのローランド・カークなのだ。そして、このアルバムのアシスタント・プロデューサーがハル・ウィルナーだったことを想えば、それ以降ハル・ウィルナーが残した(トリビュート・アルバムの)コンセプトをこのアルバムに感じられるかもしれない。

(ジャズ再入門vol,37)

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