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戸川昌子の映画

『猟人日記』(日活/1964)監督:中平 康 出演:仲谷昇/戸川昌子/宮口精二/十朱幸代/小園蓉子/茂手木かすみ


この犯罪は異常にみえる・・・が、あなたの心を、一日に一度はかすめるあの妄想がこのドラマを生んだのだ! !
■クール! スタイリッシュ! スピーディー! テクニック! 孤高のモダニスト 日本映画史に残る天才映画監督中平康!
■フランソワ・トリュフォー、クロード・シャブロルなどのヌーヴェル・ヴァーグの作家たちにも強い影響を与え、近年になって再評価が高まる一方の天才監督の傑作群を順次 DVD 化するシリーズ「 リスペクト中平康! 」がスタート。すべてが初ソフト化!
第一弾はスタイリッシュな映像で描く戦慄の傑作エロティックミステリー『猟人日記』! 江戸川乱歩賞受賞の作家・歌手の戸川昌子(出演)の原作を映画化。

チラシはカラーだがスタイリッシュなモノクロ映画。

『砂の女』を観ようと思ってAmazonPrimeVideoを探したが無かったので似たような感じかなと思って観た。

ちょっと違った。『コレクター』だな。ただこの映画の男は「猟人日記」は書くが殺しはしない。主人公がハーフだというのがポイントか?フランス人になりすますのだけど無理があるような。カタコトの日本語で騙せるのか?

ミステリーとしては面白い。最初に飛び降り自殺があって、次々に死んでいく女たち。この頃の日活は、実験的な作風の映画が多い。監督にもよるが、中平康はそんな監督のひとりだろう。ヌーベルバーグ的な新奇さはあるかもしれない。シーンで静止画あり、そこにセリフだけを被せる。経費の問題なのか、それを利用した新しい表現なのか。中平康監督だからか?あと映画の中に出てくる絵画がシュールで面白い。

父親が画家だった。本人も映像作家というこだわりが強い監督のように思える。そして、何より戸川昌子の原作も出演も面白い。どっちかっていうと戸川昌子の映画なような気がする。

主役の仲谷昇は岸田今日子と結婚していた。村上春樹の小説の登場人物のような名前。劇中歌「流浪の民」がいい。流しの伴奏で女とデュエットする。カラオケみたいなもんだが、あの時代は生演奏。

あと美輪明宏がクラブ歌手として出演して歌っていた。すごく美青年。そこだけでも観る価値はあるかもしれない。

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