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5月に観たいけど夏休みにでも

『5月のミル』(1990/ 仏・伊)監督ルイ・マル 出演ミシェル・ピコリ, ミウ・ミウ, ドミニク・ブラン, ポーレット・デュボスト, ミシェル・デュショソワ


のどかな田舎屋敷に訪れる「死」と「五月革命」。軽やかなヴァイオリンの音色に乗せて描く、マル流アンサンブル・コメディ!

1968年5月。南仏の田舎町にある屋敷で、年老いたヴューザック夫人が亡くなった。一緒に暮らしていた長男ミルは、母の葬儀のため自分の娘や兄弟たちを呼び寄せる。
遺産配分や屋敷を売る話ばかりの彼らにうんざりしながらも、ミルは葬儀の準備を進めていたが、葬儀屋までがストを決定。「五月革命」は彼らにまで影響を及ぼしはじめる――。

洒落たチラシからわかるように南仏の母の葬儀に集まった家族を描いたフランスのエスプリに富んだルイ・マルの作品だ。フランス版『お葬式(伊丹十三)』という感じの映画か?

ブルジョア家族の遺産争いに68年のパリ学生運動(「五月革命」)の背景がある。南仏の大家族の様子はイタリア映画のような感じでけっこう好きなパターンだった。仕切り屋の母が亡くなって、各家族として散らばって行った家族がノスタルジーの世界に浸るが、その家族も解体の運命を背負っているというルイ・マルの主眼はわかりやすい。

ただ家で一人みるとそれほど派手な展開もなく眠くなってしまうところも。それは会話劇だからかな。字幕だと目が疲れるのか途中で寝てしまって、三回目のチャレンジだったのだ。5月にWOWOWで放送されてハードディスクの肥やしになっていたのをやっと処理出来た。けっこう面白いのでお勧め映画だが、余裕があるときにじっくり観たい映画かも。

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