見出し画像

モリコーネからハード・コア・パンク

John Zorn"Naked City"(Nonesuch Records/1990)

John Zorn – alto saxophone
Bill Frisell – guitar
Fred Frith – bass
Joey Baron – drums
Wayne Horvitz – keyboards
Yamatsuka Eye – vocals

昨日(11/10)が誕生日だったエンリオ・モリコーネのTLが流れてきたのでまず思い浮かべたのが「シシリアンのテーマ」。モリコーネは、マカロニ・ウェスタンの映画音楽やそれほど大作じゃないB級的な初期の頃から有名になって大作のBGMも手掛けるようになるのですが、ジョン・ゾーンが見出したのはB級映画の中での輝ける音楽、それはビッバプ後の大量生産されるハードバップの中から名曲を見出すということにも通じています。


このネイキッド・シティーというハードコア・パンク・バンドは山下アイは別にして、核となるのはベースのフレッド・フリスとキーボードのウェイン・ホロビッツなのだと思いますが、重要な役割を果たしているのは、やっぱドラムのジョーイ・バロンとギターのビル・フリゼールのような気がします。というのもユーチューブでZorn's "Ennio Morricone Tribute Band"というライブ盤が流れたのですが、ドラムとギターが変わっただけでまったく違った演奏になっています。こちらはトリビュート・バンドという情緒的な側面があるにしてもハード・コアな面は無くなっている。

『ネイキッド・シティー』に話を戻すと、過激な「バッドマン」の後に「シシリアン」の静寂、再び「You Will Be Shot」の過激さ。その過激さの中で山塚アイのヴォーカルが炸裂するわけですが、すべての曲ではない。

そしてオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」も見事にハマりますね。ジョン・ゾーンのアルトは情緒的な側面があるけどそれを埋めるジョーイ・バロンのドラムがハード・コアにしているのだと思います。あと変態ギターリストのビル・フリゼールの速弾きも。山塚アイをフューチャーした「Demon Sanctuary」のハード・コア・パンクは見事にハマっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?