見出し画像

桃井かおりVS.岩下志麻の女の戦い

疑惑』(1982年製作/127分/日本)監督野村芳太郎 出演者桃井かおり
岩下志麻 柄本明 鹿賀丈史

殺人容疑者の女と彼女を弁護することになった女性弁護士の間の確執を描く。松本清張の同名小説の映画化で、作者自身が脚色し、撮影台本は「ダイナマイトどんどん」の古田求と「わるいやつら」の野村芳太郎、監督も野村芳太郎、撮影も同作の川又昂がれぞれ担当。

裁判モノだけど推理とかよりも殺人容疑者の桃井かおりのキャラと岩下志麻の弁護士役がいい。桃井かおりはこの映画は当たり役と言っていいぐらいに他の役者ではあの容疑者役を出せなかっただろう。ほとんど桃井かおりの映画と言ってもいいかもしれないが、それに相対するのは岩下志麻しかいなというような二人のやり取りが面白い。

裁判に勝って祝杯を上げたときの喧嘩の様子とか女の戦いが凄い。そこだけ見せられると極妻シリーズかと思うほど。

鹿賀丈史のチンピラ役も良かった。この時代の映画の役者は個性的だ。柄本明も脇役だけど柄本佑と似ているがやはり柄本明はこういう個性的な役者の中でやってきたんだと思わせる。

松本清張の推理ドラマなんだけどそれ以上に役者のキャラが際立っていて面白い映画だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?