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愛とか美とかいうDV映画

『天上の花』(2022/日本)監督片嶋一貴 出演東出昌大/入山法子/浦沢直樹/萩原朔美/林家たこ蔵/鎌滝恵利

解説/あらすじ
萩原朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、朔太郎の美貌の末妹・慶子と結ばれることを望むが、貧乏書生と侮られ拒絶される。しかし十数年後、慶子が夫と死別すると、三好は妻子と離縁して慶子と結婚。時は 太平洋戦争の真っ只中、身を隠すように越前三国にひっそりと新居を構えた二人には、雪深い冬の過酷な生活が待ち受けていた。三好は純粋な文学的志向と潔癖な人生観の持ち主であり、奔放な慶子に対しする一途な愛と憎しみが、いつしか激情とともに制御できなくなってゆく。/原作:萩原葉子「天上の花―三好達治抄―」

原作は萩原朔太郎の娘視点で三好達治を描いた「天上の花―三好達治抄―」であると思うのだが、映画は東出昌大主演ということで微妙に立ち位置が違うような気がした。それは三好達治の詩がラストに流れるのだが、それは日本の風土と美が重ね合わせて、それが三好達治の愛というような。

はっきり言ってDV映画だった。三好達治の暴力性を愛するがゆえとか美がどうのとかあまり関係ないと思う。あるとすれば日本の家父長制の悪しき面が出ていた。それは師弟制度とか様々な要因があると思うが、昨日読んだ高橋源一郎『ぼくらの戦争なんだぜ』の公式、大きいことを言う奴には注意が必要だにもろ当てはまる詩人だった。

「天上の花」がそうだし、日本の叙情詩の悪しき面が出ているのだった。DVを愛とは言わないよな。その論理は加害者の論理であって、それを日本の美とか言っているのだったら恐ろしすぎる反動映画だ。

もともと東出昌大も三好達治も好きじゃないのかもしれない。

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