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三者三様のクリフォード・ブラウン

『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』(1955年/ エマーシー )

ヘレン・メリル - ボーカル
クリフォード・ブラウン - トランペット
ジミー・ジョーンズ - ピアノ
バリー・ガルブレイス(英語版) - ギター
ミルト・ヒントン - ダブル・ベース(on #1, #2, #6, #7)
オスカー・ペティフォード - チェロ、ダブル・ベース(on #3, #4, #5)
オシー・ジョンソン - ドラムス(on #1, #2, #6, #7)
ボビー・ドナルドソン - ドラムス(on #3, #4, #5)
ダニー・バンク - フルート、バリトン・サクソフォーン
クインシー・ジョーンズ - アレンジ、指揮
ドント・エクスプレイン - "Don't Explain" (Arthur Herzog Jr., Billie Holiday) - 5:17
ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ - "You'd Be So Nice to Come Home To" (Cole Porter) - 4:24
ホワッツ・ニュー - "What's New?" (Bob Haggart, Johnny Burke) - 5:05
恋に恋して - "Falling in Love with Love" (Richard Rodgers, Lorenz Hart) - 3:58
イエスタデイズ - "Yesterdays" (Otto Harbach, Jerome Kern) - 6:05
ボーン・トゥ・ビー・ブルー - "Born to Be Blue" (Mel Tormé, Bob Wells) - 5:20
スワンダフル - "'S Wonderful" (George Gershwin, Ira Gershwin) - 3:15

今日もヴォーカル・アルバムです。クリフォード・ブラウンのエマーシーの三枚のヴォーカル・アルバム。モダンジャズのヴォーカルはそれで十分じゃないかと思ってしまうほどバランスがとれていていいのです。ヘレン・メリルは、クインシー・ジョーンズの編曲できっちり彼女のハスキー・ヴォイスを生かしています。

何よりも選曲の素晴らしさ。二曲目の"You'd Be So Nice to Come Home To"はこれ以上はないというぐらいの定番曲になっていますね。クリフォード・ブラウンのトランペットもよく歌っています。そのほかにもビリー・ホリデイ "Don't Explain"とか"What's New?"とかブルージーな彼女のハスキー・ヴォイスを生かした選曲がグッド。

『サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』(1955年/ エマーシー)

サラ・ヴォーン - ボーカル
クリフォード・ブラウン - トランペット
ポール・クィニシェット - テナー・サクソフォーン
ハービー・マン - フルート
ジミー・ジョーンズ - ピアノ
ジョー・ベンジャミン - ダブル・ベース
ロイ・ヘインズ - ドラムス
アーニー・ウィルキンス - アレンジ、指揮
脚注
バードランドの子守唄 - "Lullaby of Birdland" (George Shearing, George David Weiss) - 4:06
エイプリル・イン・パリ - "April in Paris" (Vernon Duke, E.Y. "Yip" Harburg) - 6:26
ヒーズ・マイ・ガイ - "He's My Guy" (Gene de Paul, Don Raye) - 4:17
ジム - "Jim" (Caesar Petrillo, Edward Ross, Nelson Shawn) - 5:56
ユーアー・ノット・ザ・カインド - "You're Not the Kind" (Will Hudson, Irving Mills) - 4:48
エンブレイサブル・ユー - "Embraceable You" (George Gershwin, Ira Gershwin) - 4:54
アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー - "I'm Glad There Is You" (Jimmy Dorsey, Paul Mertz) - 5:14
セプテンバー・ソング - "September Song" (Maxwell Anderson, Kurt Weill) - 5:50
イッツ・クレイジー - "It's Crazy" (Al Fields, Timmie Rodgers) - 5:01
バードランドの子守唄(別テイク) - "Lullaby of Birdland (Alt. Take)" (G. Shearing, G. Weiss) - 4:00

サラ・ヴォーンはジャージーなスタジオ・セッションという感じで "Lullaby of Birdland "の名唱で有名なアルバムです。ただ一曲目が素晴らしいのですが他の曲はスロー・バラードが多いのか飽きてきます。一曲一曲は上手いのはわかるけど変化がないというか(アレンジャーのせいかも)、 "Lullaby of Birdland"のようなテンポのいい曲が間にあったならもっと違ったアルバムになっていたのかもしれません。そのへんは好みですけどスローバラードが好きな人にはたまらないのかもしれません。


『ダイナ・ワシントン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』(1955年/ エマーシー)

ダイナ・ワシントン-ボーカル
クリフォードブラウン-トランペット
メイナードファーガソン-トランペット
クラークテリー-トランペット
ハーブゲラー-アルトサックス
ハロルドランド-テナーサックス
リッチー・パウエル-ピアノ
ジュニア・マンス-ピアノ
ジョージモロー-コントラバス
キーターベッツ-コントラバス
マックスローチ-ドラム
「恋人よ我に帰れ」(オスカー・ハマースタインIIとシグマンド・ロンバーグ) 9:46
「アローントゥギャザー」(アーサーシュワルツ) 2:23
 「サマータイム」(ジョージ・ガーシュウィン) 2:27
「降っても晴れても」(ハロルド・アーレンとジョニー・マーサー) 2:22
「ノー・モア」(トゥッティCamarataとボブ・ラッセル) 3:17
「あなたはしっかり私のもの」(コール・ポーター) 5:18
「大いなる愛はない」(アイシャム・ジョーンズとマーティ・サイムズ) 2:17
「忘れられぬ君」(ジョン・フレデリック・クーツとヘブン・ギレスピー) 11:07
ボーナストラック
 「ダーン・ザット・ドリーム」(ジミー・ヴァン・ヒューゼンとエディ・デランゲ) 5:14
10.10。 「クレイジー・シー・コールズ・ミー」(カール・シグマンとボブ・ラッセル) 4:47
11.11。 「四月の思い出」(ジーン・デ・ポール、パトリシア・ジョンストン、ドン・レイ)

このアルバムはライブの熱気が伝わってくるアルバムで好きなアルバムです。クリフォード・ブラウンの入れて、トランペッターが三人、それもみんな一流どころです。その火花を散らすバトルを「ブルースの女王」であるダイナ・ワシントンが引っ張っていく。若手ハードバッパーに「ブルースの女王」を引き合わせた企画の勝利でしょうね。観客もノリノリです。クリフォード・ブラウンのエマーシーの三枚のヴォーカルアルバムのそれぞれの違った趣がありヴォーカル・アルバムを最初に聞くならこの三枚でしょう。

(ジャズ再入門vol.52)


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