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題名通りのレール・ロードムーヴィー
『少年、機関車に乗る』(1991年/ソ連/98分)監督:バフティヤル・フドイナザーロフ 出演:チムール・トゥルスーノフ、フィルズ・サブザリエフ
数々の国際映画祭でグランプリを受賞したフドイナザーロフ監督26歳のデビュー作。17歳のファルーと7歳のアザマット兄弟は、遠い街で暮らす父に会うために機関車に乗って旅に出る。駅でもないのに運転士の家で止まったかと思えば、トラックとの競争が始まったり、悪ガキが石を投げつけてきたり。列車の旅は予期せぬ出来事の連続だ。機関車は大平原をガタゴトと走り、彼らを父のもとへと運んでいくが…。セピア色の画面にユーモラスな詩情があふれるレール・ロードムーヴィー。
フドイナザーロフ監督26歳のデビュー作ということを考えるとまだ未完の大器というところだろうか?1991年なのにモノクロ映画(意図的とも思えない)だし、貧しきタンジキスタンという世界の映画なのである。
しかし、そこに見出されるのは貧しくても愛情に満ちた兄弟愛である。むしろそれは最初は血縁を断ち切ろうとする青年の物語として出発する。新しい世界を夢見る青年が離れ離れになった父親に弟を預けようと列車で旅にでる物語。母親は亡くなっているのか何故兄が弟の面倒を見なければならないのか良く分からなかったが、父親に捨てられたのか?その関係がイマイチ分かりにくかったのだが、父親も愛人と棲んでいたから、そういうことなのだろう。そのへんはわかりにくいが映画のテーマとしては、鉄道のロードムービーであり(レール・ロードムーヴィー)、鉄道の映画といえばキートンの喜劇映画のようなものをイメージするのだが、なんとなく映画初期の無声映画時代の雰囲気を醸し出している。
ただ映画的にみれば面白い部分(タンジキスタンの生活)とかあるもののストーリーは退屈かもしれない。
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