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千一夜物語に出てきそうな女主人がいるカフェ映画

『サハラのカフェのマリカ』(2019/アルジェリア/フランス/カタール)監督ハッセン・フェルハーニ 出演マリカ/チャウキ・アマリ/サミール・エルハキム

解説/あらすじ
アフリカ北部に位置する世界最⼤のサハラ砂漠。その砂の⼤地の真ん中に、簡素な家屋が⼀軒佇んでいた。そこは砂漠の休息所、年⽼いた⼥主⼈のマリカが⼀⼈で切り盛りするカフェだった。砂漠を⾛るトラックの運転⼿、どこからともなくやって来る旅⼈たち、ヨーロッパのバックパッカー、⾏き交う⼈々が次々とやって来ては、去っていく。マリカはそんな⼈々と他愛も無いおしゃべりをしながら⽇々を過ごしていく。国のこと、⼈⽣のこと、家族のこと、コーヒーを飲みながら初対⾯のマリカに⼈々は打ち明ける。

『バグダッド・カフェ』のような映画を想像してけど、もっとシンプルなドキュメンタリー。石造りの質素な小屋のカフェの名物おばさんのマリカ。そこに立ち寄る様々な客との会話だけの映画なのだが、飽きさせない。それはおばあさんが虚実皮膜な話をするので、その話術に惹かれてしまう。

客との即興劇で牢屋の息子とその母親役を見事に演じる。兄が行方不明だという客が来れば、もう殺されているよと言うひどい婆さんなのだが私も娘が殺されて.........と話をし始める。それは虚構だというのだが、なんとなくそんな人生を送っている雰囲気なのだ。

権力に対して一歩も引かずトラックードライバーや遊牧民たちの味方のようなカフェのマリア。大阪・西成の食堂のおばちゃんみたいな感じか。旅の遊牧民が音楽をやれば踊りだすし、親戚がここで暮らしてもいいことないから一緒に出ようと言っても、従わない頑固婆さん。

女性解放の祭りを心待ちにしたり、女性ライダーの拠り所だったり、アラブの砂漠のオアシスのようなカフェの女主人。

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